Pipette Vol.10
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11◆白血病とは血液のもとを作る細胞を造血細胞といいますが、この造血細胞ががん化して起こる血液のがんを白血病といいます。造血細胞は骨の中にある骨髄で作られ、血液の成分である白血球や赤血球、血小板になります。白血病では骨髄の造血幹細胞ががん化し、増殖するため、正常な白血球や赤血球、血小板が作られなくなります。血液の検査では、白血球の増加や減少、貧血、血小板減少がみられます。◆白血病の種類白血病には、急性と慢性があります。またそれぞれに、骨髄性とリンパ性があります。病気の種類により細胞の形態や遺伝子、染色体、発現するマーカーに特徴があり、治療法も異なります。◆白血病の検査急性白血病では、血液検査で貧血がみられたり、血小板数が減っていたりします。白血球の数はさまざまです。慢性骨髄性白血病では、白血球の増加があり、貧血はあまりみられません。血小板は、増加している場合と正常の場合があります。またフィラデルフィア染色体という特徴的な染色体異常がみられます。慢性リンパ性白血病は成熟B細胞の腫瘍で、白血球は増加(リンパ球の増加)します。白血病の診断のためには骨髄検査を行います。白血病は病型により治療法が異なりますので、診断は重要です。骨髄の中で、骨髄芽球という非常に未熟な細胞が増殖していれば急性骨髄性白血病であり、リンパ芽球というリンパ球系の未熟な細胞が増殖していれば急性リンパ性白血病です。この2つのタイプの急性白血病の中にはいくつかの病型がありますので、診断のために採取した骨髄細胞の標本を作り、細胞の形態をみます。次いで、その細胞の細胞化学的検査や細胞表面マーカー検査、遺伝子・染色体検査を実施し、病型を確定させます。骨髄検査は、白血病の治療効果を確認するときにも行います。◆白血病の治療急性白血病では、いくつかの抗がん剤を組み合わせた化学療法を行います。白血病細胞がほとんどいなくなる状態を目指す寛解導入療法を行い、さらに病気を抑え込む地固め療法を行います。骨髄移植を行う場合もあります。慢性骨髄性白血病では、変異を起こした蛋白質に作用する薬剤で治療することにより(分子標的療法)、5年生存率は95%に達することが報告されています。これまでずっと、白血病は治らないとされてきましたが、画期的な治療法が確立されてきており、決して悲観する病ではなくなってきています。長期間に及ぶ放射線被曝から、キュリー夫人は白血病ではなかったかという推論もあります。当時はまだ、放射線被曝の身体への影響や防御策が十分に解明されていませんでした。●ラジウム塩の精製に始まり、レントゲン車の設備には、金属ラジウムを用いてチューブにラドンを詰める作業を担当するなど、キュリー夫人は人類最初の被曝者ともいわれます。夫人による手書きの研究ノートは、フランス国立博物館に保管されていますが、ノートが出す放射性物質の半減期まで鉛の箱で厳重に管理されています。半減期までには、あと1500年かかるそうです。◆白血病の検査白血病の分類骨髄性リンパ性急性骨髄性白血病急性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病慢性リンパ性白血病

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