Pipette Vol.12 Summer 2016
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5●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト C・Wニコル宮島 アファンの森に合わない名前ですね(笑)。ニコル これは生まれた北海道でつけられた名前で、道産子です。500キロくらいの日本の馬で、丸太だったら引っ張れます。でも、それで終わりではありません。7年前、猟友会に入って地元の猟師と一緒に山を歩いていたら、霊仙寺、飯縄、戸隠、黒姫と、車が通らない古いすばらしい道がいっぱいあったんです。誰も行かないから、道ではなくなっているんですけど、このような車で行けない地域を開発してみせます、馬と一緒にね(笑)。宮島 私は、長野県の南のほうの泰やす阜おか村出身ですが、私のおじいちゃんは馬で耕していました。ニコル でしょう!50年前は、馬はどこにでもいたんです。宮島 うちの中に馬小屋がありました(笑)。「人を助ける人」を助けるニコル ぼくが日本に最初に来たときの目的は、格闘技。奈良とか、京都とか、漆とか、まったく興味がなかったんです。日本の自然も知らなかった。ぼくは喧嘩に負けたくなかったから、14歳から、柔道と敵を一発で倒せる「幻の空手」を習いました。でも、日本の自然が大好きになった。この日本の自然がつくった日本人を愛してしまったんです。だから、ぼくはここにベースキャンプをつくった。ベースだから自然体。ぼくは武道と同じく自然体から構えて動きます。あと1ヵ月で76歳だから、もう神さまが笑っているかもしれないけれど、これから、馬とともにすごい探検をしてみせるよ!日本の67パーセントは森です。だから、ぼくは森を利用しているんです。今の日本人は、ほんとうの日本人ではないんじゃないですか?(笑)。宮島 森によって蓄えられた水であり、光であり、そういうものがだんだん里に行って、やがて海へつながっていく。日本人は植林をしすぎましたか。ニコル スギ、カラマツ、ヒノキの森はいいです。でも、キャベツと同じように、植えただけではいけません。手入れをしないと駄目なんです。宮島 光が当たるから下草が生えるんですね。植林の山というのは、木々が混んでしまって、土が死んでいます。そうなると土もう神さまが笑っているかもしれないけれど、これから、馬とともにすごい探検をしてみせるよ!ホースロッジ左側が霊仙寺山でそこから連なる山並みを象徴していて、屋根も少し湾曲させている。日本ではじめての試み(ニコル)奥にはパドックもある(写真は平成28年5月26日現在のもの)

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