Pipette Vol.13 Autumn
3/12

●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト 古賀稔彦3だ早いなあと思って、「精力善用・自他共栄」を伝えていく場所として、ここでしっかりやってみようと始めたわけです。―他人に迷惑をかけずに、ご自身の夢を叶えようというお気持ちはよく伝わりました(爆笑)。私はというよりも、スポーツをやっている人は、目標を設定したら逆算するんです。これを達成させるためには、この段階を経なければいけない、それならば、今、何をやらなければいけないかと、逆算する癖が私の中にもあるんです。現役を終えたときに、死ぬ瞬間、この柔道とどんな関係でいたいかなと考えて、柔道着を着て畳の上で死ねたらいいな、それを達成するためにはどうすればいいかな、それでは自分の家につくろう、そんな感覚がこの柔道場につながりました。―私どもも仕事で医学的な研究をすることがありますが、先生がおっしゃったように、こうなるだろうという結果を想定して、いろいろなアプローチの計画を立てて、結果に結びつけるというやり方をします。目標をきちんと設定して、それに向かって段取りをして進めるという方法は基本ですね。一人ひとりの子どもたちへの思い子どもたちと接していく中でも、見た目の判断ではなく、この子はこういう子ではないかな、この子にはもっとこうなってほしいな……。そういうことを描きながら、それだったらこの子をこういうふうにしていこうと。そうであれば、今、どんな言葉がけをしたほうがいいか、この子にはどんな接し方がいいか、ということにもつながっていきますね。―先生はたくさんの生徒さんの面倒を見ていらっしゃいますが、一人ひとりが記憶として残っているのか、それとも、その都度、子どもの状態を把握しながら言葉がけをされているのでしょうか。私の中では、子どものいいところを見てあげようという気持ちが強いんです。このいいところというのは、けっこう記憶に残っているんです。人間は体にいやなものを取り入れたくないという本能があると思うんです。食事でもそうだと思いますが、いいものを取り入れようと思えば体は喜ぶし、素直に受け入れようとします。ですから、私も教え子たちと接するときには、いいところを探していくんです。だから、その子のいいところは素直に体に残るということです。必ず、その子のいいところをその子に伝えながら指導していくというのが私のやり方です。わが子に教えない―「育てる技術」という先生のDVDを見せていただきました。その中に、先生のお子さんが塾にいらっしゃるのに、ほかのお子さんとあえて区別したという話がありましたが。自分の道場に自分の子どもがいるわけで、そのときに、ぼくが自分の子どもに、「ああだよ、こうだよ」と教えていたら、客観的に見ると、「先生って自分の子どもにしか教えないんだ」ということになります。この道場の中では、ぼくの子どもには何か特別に声をかけたり、一緒に練習したりすることはほとんどなかったですね。今になってみると、それでよかったと思います。もし、ぼくがほかの柔道場に自分の子どもを連れて行っていたら、ぼくは自分の子どもだけを見ればいいので、ぼくの性格上、気づくところが多くて、「もっとこDVD『育てる技術』「勝てる子ども」が育つ究極の教え方(ゴマブックス)●結果をひきずらない(切り替える前向きさが大事)●人は変われると信じてサポートする(将来のためのサポート)●親はリラックスさせる役割(安心できる親子関係が大事)●子どもが主役●なぜ?原因を探る●褒め言葉の大切さ●「どうした?」の声かけで子どもが心を開いてくれるかどうかが鍵●子どものメッセージと気持ちを受け止める●大人の決めつけが問題●結果を求めすぎると、子どもが親に気を使わせることになる●「何でできないんだ」「お前はこうだから」は子どものやる気をなくし、挑戦意欲を奪う●頑張った瞬間を気づく(それを言葉かけで伝える)●子どもは親の分身とわきまえる●挑戦した姿をほめる

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 3

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です