pipette_vol14_winter_2017
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●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト サラ・オレイン5クを学ばれてコンクール優勝という優秀な成績をあげられたサラさんが、日本のテレビ番組ではカラオケ女王に挑んだり、従来の枠にははまらない自由自在な挑戦を多くされていますね。私、最初は断ったんですよ(笑)。でも、何回もオファーをいただいて、レコード会社さんのほうからも、歌を歌うのだからいいのではということを言われて……。―そうしたら、最強のカラオケ女王を破って、伝説になってしまったわけですね。彼女(May Jさん)は2年間、ずーっと負けていなかったんです。そして、たまたまそのときの対戦曲が彼女の持ち歌の、その年一番ヒットした『アナと雪の女王』のテーマ曲でした。あのときは、彼女は、カラオケの点数をあげるとかに関係なく、自分の思いで自由に歌っていました。―あの番組出演を断らずによかったのではないですか。挑戦することが好きで、負けず嫌いなところもあって(笑)。でも、挑戦したことで、それまでは一部の人にしか知られていなかったのが、一気に、多方面の方に注目されるようになり、いろいろなお話が来るようになりました。そういう意味ではやってよかったと思っています。―アメリカの大スターが、日本のテレビではお茶目にコマーシャルに出たりします。日本人は、気さくに自分に近づいて来る人を好む国民性があるのかもしれませんね。ちょっとひょうきんな、さばけたところを見せると、ファンが一気に増えるという(笑)。トミー・リー・ジョーンズさんも、「まさか、こんなことを」って(笑)。人間っぽさが大事なのかもしれませんね。―サラさんは「やれることは何でもチャレンジして、負けず嫌い」と自分を評されていましたが、私たちも似ている気がします。臨床検査技師というのは専門的な領域がいくつもある仕事で、それぞれを突き詰めてやらなければなりません。たとえば心電図をとる専門の人、血液を検査する専門の人というように、それぞれの領域があって専門性を持って仕事をしているのですが、他の領域もやろうとすると、違う方向へ向けて、新たにチャレンジしなければならないのです。 やると決めたら徹底的にやる、そんな技師たちの挑戦心と、サラさんの枠にはまらずに自由自在に挑戦されている姿とは、違う世界であっても、接点が見出せたような気がしています。被災者に向き合って―サラさんには、ご自分が英語の歌詞をつけた「The Final Time Traveler」という曲があります。これはアドベンチャーゲームのエンディングテーマだそうですね。このゲームの作者は、ゲームシナリオがまとまった直後に東日本大震災が起きて、ショックでこのゲームを完成させるかどうか悩まれたそうです。その後、羽生結弦選手がグランプリ・ファイナルのエキシビションにこの曲を選んで演技して、震災への思い何もできないかもしれないけれど逃げたくない、日本に残って少しでも貢献ができたらと

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