Pipette Vol.19 Spring 2018
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●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト 林家たい平5描きました。今となってはお恥ずかしいかぎりです。図書館で臨床検査に関する用具とかを調べて描いたんですけどね。自分の体と向き合う―顔がすっきりしました。最近、東北みやぎ復興マラソンを走ったせいかも。―昔は結構さぼるほうだったでしょう?違います。要領がいいんです(笑)。―51歳でテレビ番組の24時間マラソンに挑戦。走りませんかというのは、24時間マラソンも担当されている『笑点』のチーフプロデューサーからですが、50歳を過ぎて自分の体と向き合わないと、往々にしてあとで後悔するから、今回、たい平さんにその機会をプレゼントしたいという表現でした。さらには、「僕が大好きな坂本トレーナーのチームと、僕が大好きなたい平さんとの縁を結びたいんだ」といううれしい言葉を頂戴して、走ろうと決めました。―でも100キロメートルでしょう?最近はウルトラマラソンも流行っているので、長距離を走るのはなんとかできるんです。でも、運動するのは35年ぶりだし、毎日呑んだり夜遅く食べたりの連続だったから、自分の体を日々観察するという経験はとても貴重でした。寄席も医療もチームプレー―たい平さんによると、「落語の寄席はチームプレー」。どういうことでしょうか?野球で、1番バッターはいきなりホームランを狙わないでしょう。寄席も一緒で、お客さんがまだ温まっていないから、一人目はヒット狙いで、トリを務める師匠が4番バッターだとすれば、そこに向けて笑いのレベルも上げていくんです。 途中で色物さん(寄席において落語と講談以外の芸)が入るのも、落語は想像力の世界なのでずっと聞いていると、お客さんが疲れてしまうからです。これは美術館で絵ばかり真剣に見ていると疲れるから、途中でコーヒーを飲んだりするのと同じで、色物の舞台を見て楽しんでもらうわけです。自分だけが笑わせてやろうとかしませんし、前の噺で笑いを取っていると、少し引いた噺で落ち着かせようとか。修行中から先輩に言われたり、自分たちで見たりしながら学んでいくんです。ここでそんなネタやってどうするんだと怒られたり。―それは知りませんでした。目の肥えたお客さんは、きっと今日の流れはよかったとかわかるんですね。自分のことだけ考えてしまうとだめ。そうですね。打ち合わせはしないけれども、あの先輩はこのネタが得意だから、自分はこうしようとか考える。―私たち臨床検査技師も「チーム医療」という形で取り組んでいますが、共通するものがあります。他職種の役割をしっかり理解することで連携ができるようになりますし、臨床検査技師だけがよかれと出すぎてもうまくいきません。たい平さんは声帯ポリープで手術経験もあり、落語のまくらでも面白く取り上げていますね(P6に掲載)。僕の場合、日帰り手術だったので、入院経験はないんです。だから「チーム医療」のありがたみはあまりわからないんですが、それぞれの役割を理解して対応する点は似ていますね。秩父は日本の原風景―今年(※平成29年)の秩父夜祭では、たい平さんが屋台に乗るという噂もありまし五十嵐 清子

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