Pipette Vol.19 Spring 2018
6/12

6た。乗りません(笑)。それこそ、あれは、下積みを経験してやっと乗れる世界ですから。―私の甥っ子は今年乗るというので大変です。一生に1回しか乗れないし。祭りが終わってからも、いろいろお手伝いしなくてはいけないしね。―お祭りの日は学校もお休みだし、1ヵ月以上前から太鼓の音が延々と聞こえてくる。冬の花火もあがる。たい平さんは「人間花火」の形態模写をよくしますね。中学や高校のときもやっていたと思いますが、あの芸は手が痛い。肩も痛い(笑)。―学校の教室の床を叩いていた?いろいろなところで(笑)。―「ふなっしー」の物まねで、秩父ではなくて船橋の観光大使と誤解されていません?そんなことないですよ(笑)。僕が『笑点』の舞台で横に宙を飛んでいるデザインの「ちちぶっしー」というお菓子も、秩父の菓子処亀沢屋さんで作ってはあるんですが(笑)。―秩父のゆるキャラはポテくまくん。あれは僕も選考委員だったけどかわいい。―みそポテトは美味しいですよね。学校帰りにも食べていたしね。みそだれが甘くて。―西武鉄道も秩父のCMを熱心にされています。あっという間に、麻酔の世界に入っていって、あっという間に目が覚めた。先生がぼくの顔を覗いて、その執刀してくれた先生が、……“しっとう”って言っても、交番に行くわけじゃないですよ(笑)。それは出頭ですから、いいですか?”しっとう”ですよ(笑)。ね、刀をふるう執刀。 “しっとう”って言っても、暴投みたいな、あの失投じゃないです(笑)。 その先生に、「たい平さん、上手くいきましたよ」って言われて、手術をしてから10日間は、一切喋っちゃいけないって言われた手術の直後に、「ありがとうございました」(爆笑・拍手)先生が手術台のわたしの口を手で押さえて、「喋っちゃ駄目」(笑)って。そのあと、病室のほうへ移されて、でも、日帰りなんですよ。凄い先生で、とにかく日本は何でも手術をすると、病院に留め置いて、無駄なお金をたくさん取る。だから、医療保険がどんどんかさむのは、帰せるのに帰さないで、そこでお金を取っていくような悪いシステムだからだそうです。先生が、「麻酔がすっかり切れた時点で、帰れますから」って言って、手術終わってから夕方まで寝ていると、次から次へと看護婦さんが来て、「どうですか? 体調は大丈夫ですか?」(笑)「大丈夫です」(笑)「喋らないでください」(爆笑・拍手)だったら「話しかけないでください」なんですけど(笑)。でね、話しかけるときに、必ず答えを必要とするような話しかけ方なんですよ(笑)。「全然話さなくて結構ですよ。頭でウンウンと肯うなずいてくだされば大丈夫ですから、どうですか?」って言われれば、いいんですけど、全部普通の人に喋るみたいなので、全部答えちゃうんですよ(笑)。答えないと、喋る修行をしていますから、失礼にあたるんじゃないかと思うので、全部答えちゃう。※ぜひ実際の高座でお楽しみください。絶対喋っちゃいけない手術2014年6月8日 横浜にぎわい座「林家たい平独演会 天下たい平Vol.63」より『馬のす』のまくらから一部を抜粋(出所:『林家たい平特選まくら集』竹書房文庫)

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る