Pipette Vol.22 Winter 2019
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66019があります。五郎丸さんはどのような大会になればいいと思いますか。ラグビーはルールが複雑な部分はあるのですが、非日常的なスポーツですし、チームのため国のために自分の身体を犠牲にしてでも戦い続ける姿は、日本代表だけではなくて、どの国のチームにも感じてもらえると思います。国内12会場ありますから、〝一度は生で観ていただきたい〟という気持ちが強いですね。―試合予定では、ロシアが日本の初戦の相手となります。一次リーグプールAは、世界ランキング上位のアイルランド(※2位)、スコットランド(※6位)など強敵ぞろいです。11位の日本代表が決勝トーナメントに進むには、前回2015年並みの番狂わせが必要とも思われます。前回のイングランド大会でも、相当なプレッシャーでしたから、日本開催となる今回は、どう自分たちを鼓舞していけるかが、より大きな課題でしょうね。―全敗したら、などと考えてしまうと、すさまじいプレッシャーでしょうね。大会を迎えるまでに、どれだけの準備ができるかによると思います。エディージャパンでは、大会の年に現地に行ったり、現地時間帯との違いを意識した練習をしたり、試合を担当するだろうレフェリーのクセまで読んだりしました。準備できることはすべてやって大会に臨んだので、プレッシャーも軽減できました。―田村優選手が「W杯2015期間中のことをよく覚えていない。ゴローさんのように日記を書いておけばよかった」と言っていますが、日記はいつも書いているのですか。好感度がアップしますが(笑)。日記を書いたのはあの時だけです(笑)。現地に入り、エディーはワールドカップ体験組とワールドカップ未体験組に分けて話をしたんです。私は未体験組でした。エディーが言うには「この大会を自分のものにしなさい。優勝しようが全敗しようが、この1カ月の大会期間を心の中に残しなさい」と。プレ・ルーティンの研究でも実感したのは、物事は書かないと忘れてしまうということです。だから、現地入りした初日から日記をつけ始めました。―この冊子は、病院での配布により読まれる方が多いです。いろいろな苦しみやつらさを抱えた方がおられます。五郎丸さんから、あきらめないことの大切さというメッセージをいただいたと思います。ところで、臨床検査技師という職業はご存知でしたか?実は、私の母は看護師で、父は救急救命士です。妻の父も臨床検査技師です。個人的には医療の世界には近いのかな、と思っているんですけれど(笑)。インタビューを終えて同じラガーマンとして五郎丸選手にお会いできて光栄でした。日本開催のワールドカップ2019に多くの皆様の来場と観戦、日本代表への声援を心からお願いいたします。(取材 平成30年5月24日)      *次回は、結婚直後から、同居する義母の20年にわたる介護と看取りを体験したタレントの荒木由美子さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。五郎丸 歩Goromaru Ayumuデビュー。2008年にヤマハ発動機ジュビロに入団。ワールドカップ2015で大会ベストフィフティーンに選ばれる。2016年、オーストラリアのレッズ、その後、フランスのRCトゥーロンにも所属。2017年ヤマハ発動機ジュビロにプロ契約で復帰。国内のトップリーグでは通算得点記録第1位。ポジションはFB(フルバック)。プロフィール●1986年、福岡県生まれ。3歳からラグビーを始める。佐賀工業高校時代は3年連続で全国高校大会に出場。早稲田大学へ進学し、4年間で3度の大学日本一も経験する。大学2年の2005年に日本代表

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