Pipette vol.29 2020.10 Autumn
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ソが絶滅しました。もしまだいたなら、今は外来種を食べてくれたでしょうね。でも、そんな生態系の門番がいなくなったので、外来生物を取り除くために、お金を(税金)を使うわけです。例えば、千葉県もカミツキガメを取り除くために、年間1千万円近くは予算を取ってきていると聞きますので、その分を本当は別の、医療から何から、私たちの生活に必要なところに税金というのは使うべきところを、外来種を取るために税金をつぎ込んでいて、これは損なことなのですね。元々は誰かが捨てたもの、それを拾うために税金をどんどん投入していくというのは、地域にとっても、もちろんこの国全体にとっても損になることですから、やはり私たちが、捨てないということは大事なのですけれど、身の回りに過去にいた生き物たちがいてくれれば、その生き物たちが生態系を守ってくれた可能性もあります。ですので、絶滅していいのではないか、私たちに関係ない、という生き物はもしかしたらいないのかもしれないです。そう考えると、やはり環境というものを一度元に戻す、絶滅危惧に追い込んでしまっていたのであれば、それは何とか数を増やす、そういった努力はしていくべきだと感じます。―カンボジア、コモド島、トルクメニスタンといろいろな所に行っておられますが健康面に関してのエピソードはありますか。 私が行く所は、電波も届かない、医療関係もとても弱い地域が多いので、無事に帰ってこられるようには準備しています。失礼な言い方ですが、人間が一番気を付けなければいけないです。同じ生き物ですから、病原体、ウイルスは共通して行き来します。なので実は現地の方と握手はあまりしたくはないのですが、そこは人間関係ですから、握手はします。そのときに、例えば、目を見て赤くなっていたら結膜炎の可能性がありますから、後ですぐに手を洗います。 もちろん、野生動物由来の感染症も怖いです。フンに触らない、犬・猫も、海外に行ったら触らないです。共通するうつる病気があるからです。食事も、現地の食文化があり魅力はありますが食べないです。私は亀田の柿の種を必ず持っていくのですよ。(笑) 感染症に関してですが、かかったことはありませんが、マラリアにならないよう、流行している地域に行くときは、予防薬は飲みます。また普段から、どの国に行ったとしても、蚊には刺されないようにしています。防虫用のスプレーなど、耳の裏まで全部クリームを塗って、顔も塗っています。さらには、衛生面に気を付けていて、ダニなども付きますから、毎日アルコールで、頭や体を必ず拭きます。自己管メンタル面と体力維持5 外来生物の管理は、少しずつ広まってきています。しかし、東南アジアも含め、アジア地域ではまだまだです。食べるものが必要、だから外来生物を増やして、それに支えてもらおうと。日本の過去の経験から、外来生物を野外に放つと、長い目で見て生態系が弱くなり、外来生物含め生き物がいなくなります。 水抜きの番組などは、台湾など海外でも放送されています。なぜ水を抜いているのか分かると身の回りの生き物を少し見てみようかと現状を把握し、どのような課題があるのか、このお手本になっていくのではないかと思います。日本の池だけで20万以上あります。今は放置されていて、どのような生き物がその池にいるかも分からない状態です。外来種が入り込んで、増えてしまって、汚染源になっている場所も多いのです。テレビを通して身近な池を少し管理してみようとなっていただけたら幸いです。 人間が移動させた生物はしっかり管理する、これが今の保全かなと思います。今後の活動と読者へメッセージ

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