Pipette vol.30 2021.1 Winter
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()1 厚生労働省の「患者調査」の結果、平成29年高血圧性疾患の総患者数(継続的に治療を受けている患者数)は993万7,000人、日本人の約8%の方が高血圧、高血圧を原因とした病気で治療を受けておられます。健康意識の向上から、前回調査に比べ170万人の減少となりましたが、今でも健康診断で高血圧を指摘された患者さんの検査を担当する機会に「健康診断だと高くなるんだよ」「血圧はいつも高めだけど、治療は受けていません」といったお声をお聞きします。そうです、血圧が高くても多くの人は何の症状も感じません。「目は口ほどにものを言い」ではありませんが、私たち臨床検査技師は検査の際、患者さんのお体に影響が出ていることを経験します。代表的なものが心臓と血管です。血圧が高いということは、血圧が高い状態(負担が掛かった状態)でないと体の隅々まで血液が届かない状態です。心臓の筋肉は厚く、硬くなります(心肥大)。血管は一番内側の薄い膜(内膜)がダメージを受けて、動脈硬化をきたします。この状態が長く続くと、心不全や心筋梗塞、脳梗塞などの血管の病気を起こしますので、早めの検査と継続した治療をお勧めいたします。2017では臨床検査技師とは・・・呼吸機能検査編病院の検査室や健康診断で、「吸って、吸って、はい、吐いて―――、吐いて、吐いて――」と大きな声を聴いたことありませんか、これは呼吸機能検査である肺活量(努力性)を検査する時の掛け声です。正確な検査結果を求めるためには、臨床検査技師による検査前の説明とこの声掛けが重要です。呼吸機能検査は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有無など、肺の働きぐあいを知るための大切な検査です。「高血圧」臨床検査技師のつぶやきピペ子マスコット。本誌に登場し、わかりやすく解説してくれます。Pipetteマスコットキャラクターピペトン臨床検査技師のお仕事を広く周知させるべく誕生した

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