Pipette vol.31 2021.4 Spring
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 1現在、日本では2人に1人が何らかの物質に対してアレルギーを持つとされており、年々患者数が増加傾向にあることが問題となっています。その背景には生活様式や環境・食生活の変化などが挙げられています。アレルギー疾患と一言で言っても、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなど、その種類はさまざまです。ここでは、食物アレルギーを取り上げます。食物アレルギーは、食物アレルゲンの摂取などで起きる疾患で、原因となる食物は多岐にわたります。最も多いアレルギー症状はじんましんなど皮膚症状で、さらに下痢や喘鳴(ぜいめい)など全身に症状が現れることもあり、これをアナフィラキシーといいます。意識障害や血圧低下など重篤なアナフィラキシーショックを発症すると死亡することもあります。消費者庁は、「卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生」について、特に発症数が多く、アレルギー反応が出た場合の重篤度が高いことから、これらの材料を含む食品や料理は、その旨を表示するように義務づけています。食物アレルギーの診断では、問診により疑われる原因食物を推察することが重要です。さらに特異的IgE抗体を測定する血液検査や、皮膚テストなどが行われます。臨床検査技師とは…知っていますか? れている血液は体重の約8%です。全身を巡っている血液には、酸素を運び二酸化炭素を運び出す働きをする赤血球、細菌やウイルスなどの異物が侵入した時に戦い防御する働きをする白血球、からだの内外の出血を止める働きをする血小板があります。それぞれの血球の数や質の異常を調べる血球検査は、血液の病気や全身状態を把握するために欠かせない大切な検査です。血球編私達のからだを流「アレルギー」臨床検査技師のつぶやきピペトンマスコット。本誌に登場し、わかりやすく解説してくれます。Pipetteマスコットキャラクターピペ子臨床検査技師のお仕事を広く周知させるべく誕生した

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