Pipette Vol.4 Summer 2014
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3す。とにかく出産が終わって、育児休暇が取れるようにするにはどのような手続きを取ったらいいだろうかと。かなり真剣に考えました。制度の運用によって、なんとか切り抜けようと。これが執行部の判断だったんです。―文部科学省も女性研究者支援モデル事業を立ち上げました。小さな組織の中では、お互いに融通し合って運営していくというのが最適だと思います。なんでも制度を当てはめても、なかなか難しいところがありますから、そこをちゃんと運営していくということが一番大事だと思うんです。女性のお医者さんでさえ保育園がないから医師をやめようかと。制度はある、お金もある、能力もある、でも、保育園がない。そういう意味で女性が普通に働ける状況を整えるというのは大変なことなんです。結局、まわりと一緒にやらないと駄目です。―パートナーと協力して、というところもありますね。非常に大きいですね。私は1度、結婚して、そのあと、ずっと独身ですが、私の下の世代の同僚たちを見ていると、ほんとうに柔軟にパートナーと一緒に子どもを育てています。トップの役割を受け止める研究者の場合、ただ自分が研究したくてやっているわけですから、まず、何らかの役職に就こうという意識がそもそもないのです。何かの役職がくると「あっ、きちゃったか」という感じですから。ほんとうはいやなんですよ(笑)。職員の場合には、役職につくと、残業代がなくなるのに責任は大きくなって、何か失敗すると非常に大きな責任を負わなければいけなくなる。自分にとって、なんのメリットもない。こういう現実的な判断を女性はしがちですよね。研究者の場合は、自分の研究の時間を奪われてしまうからいやだという発想になる。「私はこう生きているのだから」ということを持っているのが女性。それはすごくいいことで、基本的にそうでなくてはいけないわけですが、社会的な地位とか、役割というのは、自分がやらなくても男の人でいいんじゃないの?となるのですね。―就職2年目の社員アンケートでは男性は一生涯働くという意識があるようです。自分はどういう役割をしていかなければいけないのかとまず考える。一方、女性は出産しても、そのあと続けられるキャリアのことを常に考えている。就職したときに女性と男性では明らかに自分の将来像が違うということですね。その場合のキャリアというのは自分の技術が上達するとか、いい仕事ができるとか、そっちのほう。社会的な役割とはまったく違う。でも、そのことも含めた女性の状況が結果的に伝わらなくなってしまうのですね。つまり、発言できるとか、仕組みを変える場所に女性がいないということになってしまいますから、そこがちょっとまずいですね。さらに、自分から手を上げるか、まわりの人から推薦されるかという、この2つがあると思●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト 田中 優子小さな組織の中では、お互いに融通し合って 運営していくというのが最適だと思います

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