Pipette Vol.6 Winter 2015
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2フィギュアスケート選手として活躍され、2014年ソチ五輪後に現役を引退された鈴木明子さん。摂食障害を克服され、長く現役生活を続けてきたポジティブな挑戦心、そして今後の生き方などについてうかがいます。聞き手 宮﨑直子(伊藤病院診療技術部臨床検査室室長)(公益社団法人東京都臨床検査技師会副会長)検査で自分自身を知る―臨床検査は健康管理や病状の管理のために有益ですが、健康チェックはどのようにされていますか。選手は、アスリートチェックという形で1年に一度招集されて、体のすべての検査を受けます。私はその結果を自分で細かくチェックして、データとしてファイルし、毎年きちんと比べるようにしています。―みなさんがそうされているのですか。たぶん、みんなはあまり気にしていないと思います。私は18歳のときの摂食障害の経験から、自分の健康や体の状態に敏感にならなくてはと思ったので、病気になってからではなく、その前に自分の体を知ることが一番大事かなと。アスリートに多いと思うんですが、痛みとかでちょっとつらくても頑張ってしまう。もっと早く体調の変化に気づいていれば、こんなにならずにすんだのにということがありますから、自分で気づくことがとにかく大事です。これは一般の社会でも同じですよね。お仕事で頑張らなきゃと思ってやっているうちに、気がつかないまま精神的にも負担がかかり、何か症状が出たときには、完全に限界を超えてしまっている……。「頑張らなきゃいけない」というのは、日本人特有の部分のようですが、ここでちょっと休もうという選択肢があればいいなと思います。でも、なかなか休めない現状もありますから、検査をすることで自分の体を知って、自分の気持ちが少し楽になるというほうがいいのではないでしょうか。「検査が怖い」と言う人もいますよね。まさに私の母がそうだったんです。―自営業の方はとくに定期的な検査の機会がないですものね。それまで何一つ病気をしていなかったのに、母はがんを患いました。それでようやく気づいたみたいです。「自分の体は自分で知って守らないと、誰も守ってくれないんだ」って。それからは定期的に検査に行ってくれるようになって、娘としてはすごく安心しています!これからは私もアスリートとしての招集がないので、自分で検査を受けにいかないといけませんね。今後は、女性に特有な検査も受けないと、と思っています。©Japan Sports

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