Pipette Vol7
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2平成27年4月から、法律改正により臨床検査技師が味覚・嗅覚の検査を担当できるようになりました。味覚・嗅覚のプロフェッショナルでもあるソムリエの田崎真也さんにお話しをうかがいました。聞き手 池澤 剛(セントラル医学検査研究所検査部長)(公益社団法人茨城県臨床検査技師会副会長)五感を使って食べる―田崎さんは、美味しさは五感で受け止めろと言われていますが、五感の中で一番大事なのは?五感がそろってバランスよく感じることができ、いろいろなものを多角的に判断したり、表現したりすることができると思いますので、すべてが大事だと思います。―田崎さんの本を読ませていただき私も食事をしながら、匂いを嗅いでみたりしたのですが……。例えば、ミカンを食べるのにミカンの匂いを嗅いでから食べる、寿司屋さんに行って寿司の匂いを嗅いでから食べるというのはあり得ないことです。(笑)通常、人間は食べながら口で噛んで、そこで呼吸をしているので、口から入った空気を鼻から出すときに、食べているもののフレーバーを感じているので、そこではじめて「美味しい」とか、「これはミカンだ」とか、トータルでわかるのです。直接嗅ぐというのは、作っている人にも失礼ですし、食べ方としてもおかしいですね。―美味しさを表現するということですが、語彙の豊富さもあるでしょうが、どのようにしたら的確な表現ができるようになるのでしょうか。美味しさの表現というのは、一般には必要ないものだと思います。食べて「美味しい」と思ったら、表情と一緒にリアクションされているわけですから、それで十分です。私が本で言っているのは、食べ物の味を表現して伝えなければいけないテレビのレポーターの場合に、「肉汁がじゅわっと広がる」とか「柔らかくておいしい」では、味が具体的に伝わるわけがないのです。味覚や嗅覚で感じていることが、食べているものの最終的な判断基準になるので、その感覚を表現しなければ、実際にどんなものなのかは伝わらないと思うのです。(別表参照)子どもの味覚、嗅覚があぶない?―今の子どもたちの味覚、嗅覚の感覚が悪くなっているという調査結果がニュースになりました。たぶん、日本人の9割くらいのかたは、

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