Pipette Vol7
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4す。最近は、お母さんが果物を剥くのが面倒臭いということで、果物もなかなか食べなくなっています。このような環境の中で、普段、酸に馴染んでいないというか、意識して酸味を感じる体験が乏しいため、戸惑いもあって、わかりづらいのかもしれないです。ここも大人の責任が大きいですね。楽しんで食べられるか―食育ということにもなってくるのでしょうか。食育で重要なのは、「楽しんで食べられる」という点です。人の食という行為に対してもっとも重要なところで、そのために味覚の教育があり、そのために料理を作るのです。ものを食べるという行為はどこからどこまでかというと、植物を育てたり、海や山から取ってきたり、それを料理したり、これを全部食べるという行為のすべてです。これらをバラバラにしてしまうのではなく、楽しく生きるためにすべてを行うことだと思います。子どもの食育というのは、味覚の教育や料理を作るということ以前に、個食の問題が大きかったわけです。食べ物のバランスは悪い、朝ご飯も一人で違うものを食べる、夜も塾があって遅く帰ってくる、宿題があるのでご飯は一人で食べる、お父さんも一人で食べる、お母さんも一人で食べる……。家族全員がバラバラなものをバラバラな時間に食べているので、コミュニケーションがまったくないのです。さらに、学校で怒られる、塾で怒られる、家に帰ってきても成績のことばかり言われる、ご飯は一人で黙々と食べる……。コミュニケーションはないし、褒められる経験を一日に1回もしていない子どもたちは、精神的に追い詰められてしまいます。グラスで味が変わる?◎使用酒は、純米吟醸「雪の舞」茨城県で平安時代から続いている日本最古の酒蔵「須藤本家」の活性にごりライト・スパークリング無濾過生々2007International Wine Challenge銀賞受賞(個人所蔵品を使用)◎使用グラスは、ワイングラス、湯呑み茶碗、お猪 口の3種─(飲み比べて)不思議なのですが、グラスによって同じお酒の味が違って感じます。甘味と酸味のバランスが理由です。日本酒は甘味の次に強い味覚は酸味なのです。湯呑み茶碗の場合は、二つの中間。味の感じ方は、舌の中の味蕾の分布の違いと、液体が口に入る瞬間の幅とスピードなのです。ワイングラスの場合は、舌の先端部分から真ん中にストレートに入ってくるので、甘味を感じるところを最初に刺激してから降りてきます。だから、その瞬間で甘味の印象があって、あとは包まれてしまうという形です。平らなお猪口の場合は、口の面積が広く、下を向いて飲む感じになります。舌の内側も含めて、相当広い範囲でゆっくり入ってくるので、酸味を感じるところを最初から包んでしまうため、酸がよりはっきりしてきますね。

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