Pipette Vol.9 Autumn 2015
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●グッジョブ・技師のお仕事ゲスト 林家木久扇5インタビューを終えて現役の落語家が目の前で枕の一部を披露してくれ、聞き惚れました。笑いは真摯な人生観と両立して必要なものだと改めて感じました。次回は教育評論家の尾木ママさんが登場します。学校現場の課題や職業選択における教育の役割を含めたお話をお聞きします。お楽しみに。プロフィール●1937年、東京市日本橋区(現東京都中央区)生まれ。落語家・漫画家・画家。1960年、三代目桂三木助門下へ入門。桂三木助没後、林家正蔵門下へ移り、林家木久蔵となる。1969年より「笑点」(日本テレビ)のレギュラーメンバー。2007年、「木久蔵」を息子に譲り、公募により林家木久扇となる。2010年、芸能生活50周年記念公演を各地で開催。2012年には、震災復興支援の初の俳句画集『これからだ』を出版。落語協会相談役、日本漫画家協会参与、俳人協会会員。林家木久扇Kikuo Hayashiya私、こないだ喉頭がんになりましてね。(略)耳鼻咽喉科の先生がお年寄りで、耳の遠い方なもんで、私の鼻から入れた内視鏡で撮った写真がモニターの下から出てきたら、それをかざして、「がんだあ!」って言うんです。「先生、冗談じゃないですよ。人の命がかかるような病名を、先生が大きい声で言うなんて」でも、耳の遠い先生だからしょうがないんです。けれども、そのとき、私は衝撃を受けました。まるで頭の後ろから太い棒でポカッと殴られたように、「後頭ガーン」……およよ。(略)病院の待合室で、私は一番端っこで待っていて、大きいマスクをして帽子を被って、知らんぷりしていたんですが、治療が終わったおばさんが私にいうんです。そのおばさんが高木ブーにそっくり。帽子の庇をこういうふうに翳して、そばに寄ってきたんです。「あら、木久扇さんでしょ?わかるわよー。マスクしてたって!がんなの?治らないわよー。私ね、この病院で6軒目なの。治らない。しぶとい病気よ。うちのお父さんもがんなの。もう2年もがん。治らない。それじゃ、お大事に」(略)私がマスクをつけて、治療のリニアックが近づいてきて、それが2つに折れて、治療が始まるんです。放射線ですよね。(宇宙人の声で)「ワレワレは宇宙の彼方からハヤシヤキクオウのがんの治療にやってきた医療団である。これより放射線を発射する。ボヨヨヨォーン」※ぜひ実際の高座でお楽しみください。(枕噺の一部を要約再現)

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