感染症予防法の改正に伴う分類変更について


 この度、「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)の改正が平成15年10月16日に交付し、11月5日に施行されました。この改正は平成15年8月の厚生労働省厚生科学審議会感染症分科会の「感染症対策の見直しについて」により、重症急性呼吸器感染症(SARS)に対する対応等を念頭にして、重篤な感染症の対策強化、検疫対策の強化、動物由来の感染症対策強化、感染症法対象疾患の追加等が提言されたことを受けての改正です。SARSや痘そう(天然痘)などの感染症が追加されました。更に現行の四類感染症が、動物由来の感染症の措置を講ずること、即ち輸入規制、消毒、ねずみ・蚊の駆除等が出来る(新)四類感染症と、発生動向調査のみを行う(新)五類感染症に2分されました。

 また、この改正により、日本には常在しない感染症の海外からの侵入を防ぐため検疫法も改正され平成15年11月5日に施行されました。これにより感染症に感染した恐れのある人に対して@旅券の提示、氏名、入国後の連絡先、日程の報告を求める事、A入国後の一定期間、体温等の健康状態の報告を求めることが可能になりました。ただし、この措置の対象となるのは、SARSの疑いのある患者を治療している医療機関において労働したことがある者、同居する家族等でSARSの疑いで入院した人がいる場合、SARSの疑いで入院した患者に接触した場合の要件に該当する者に関してということになっております。 更に、入国時の検疫官の質問に回答しなかった者あるいは虚偽の回答をした者、又入国後の健康状態の報告を求められた者が報告しなかった場合、あるいは虚偽の報告をした場合に対しては、いずれも6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。これらの改正に伴う対象疾患の追加分と分類変更は以下の表の通りです。

改 正 前 改 正 後 (新)
一類 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱  一類 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 

追 加 : 重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)
          痘そう
 

ニ類 急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフス ニ類 急性灰白髄炎、コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフス、パラチフス
三類 腸管出血性大腸菌感染症 三類 腸管出血性大腸菌感染症
四類 <全 数>
ウエストナイル熱、エキノコックス症、黄熱、オウム病、回帰熱、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、腎症候性出血熱、炭疽、つつが虫病、デング熱、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、ブルセラ症、発しんチフス、マラリア、ライム病、レジオネラ症、乳児ボツリヌス症、アメーバ赤痢、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、髄膜炎菌性髄膜炎、先天性風疹症候群、梅毒、破傷風、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、急性ウイルス肝炎 

<定 点>
咽頭結膜熱、インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌、咽頭炎、感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎、水痘、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、成人麻疹、手足口病、伝染性紅斑、突発性発疹、百日咳、風疹、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、麻疹(成人麻疹を除く)、無菌性髄膜炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角結膜炎、流行性耳下腺炎、淋菌感染症、急性脳炎尖圭コンジローム 

(新)
四類

ウエストナイル熱、エキノコックス症、黄熱、オウム病、回帰熱、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、腎症候性出血熱、炭疽、つつが虫病、デング熱、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、ブルセラ症、発しんチフス、マラ潟A、ライム病、レジオネラ症

変 更 : 乳児ボツリヌス症 ⇒ ボツリヌス症

追 加 : A型肝炎
     E型肝炎
     高病原性鳥インフルエンザ
     サル痘
     ニパウイルス感染症
     野兎病
     リッサウイルス感染症
     レプトスピラ症
  従来の四類は、
 
 (新)四類と(新)五類に分かれました。

(新)
五類


<全 数>
アメーバ赤痢、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、髄膜炎菌性髄膜炎、先天性風疹症候群、梅毒、破傷風、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、 

変更:急性ウイルス肝炎⇒急性ウイルス肝炎(A型、E型を除く) 
       急性脳炎⇒定点把握から全数把握に変更 
追加:バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症

<定 点>
咽頭結膜熱、インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌、咽頭炎、感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎、水痘、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、成人麻疹、手足口病、伝染性紅斑、突発性発疹、百日咳、風疹、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、麻疹(成人麻疹を除く)、無菌性髄膜炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角結膜炎、流行性耳下腺炎、淋菌感染症

変更 : 尖圭コンジローム⇒尖圭コンジローマ
 
追加 : RSウイルス感染症

 

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