綱紀粛正について

 本年は、当会創立55周年にもあたり、また、臨床検査技師等に関する法律の施行により国民医療を守る検査業務に新たな気持ちで対処しなければ成らない。更に、公益法人改革による新公益法人取得を成し遂げ、公益事業の推進に力を注ぐ必要がある。
 このような情勢下にあり、更なる国民の信頼を得るよう努めることが肝要であることは言うまでもない。
 しかしながら、最近、検査技師に係る不祥事が多発しており、このような一握りの者による検査技師の名を辱める行為、国民の信頼を裏切る行為は決して許されるものではなく、また、許してはならないものであり、単に「検査技師」としてではなく、人として許されることではないと考える。
 現在の医療事故があとを絶たない状況を見ても、医療人としての危機管理の欠如も問われることとなり、検査技師の責任として認識をあらたにする必要がある。この重要な 時期を迎えくれぐれも過ちの無い よう綱紀粛正に努め、検査技師としての誇りを持ち業務に邁進するよう、当会が平成3年に制定した「倫理綱領」並びに平成15年に合意した「倫理綱領に係わる申し合わせ事項」、更に平成16年に改正された「臨床検査薬プロモーションガイドライン」を提示する。
 
 

【社団法人日本臨床衛生検査技師会倫理綱領】
<社団法人日本臨床衛生検査技師会 平成3年 制定>

一、

会員は、臨床検査の担い手として、国民の医療及び公衆衛生の向上に貢献する。

一、

会員は、学術の研鑚に励み、高い専門性を維持することに努める。

一、

会員は、適切な臨床検査情報の提供と管理に努め、人権の尊重に徹する。

一、

会員は、医療人として、医療従事者相互の調和に努め、社会福祉に貢献する。

一、

会員は、組織人として、会の発展と豊かな人間性の涵養に努め、国民の信望を高める。


社団法人日本臨床衛生検査技師会倫理綱領に係る
申し合わせ事項
<社団法人日本臨床衛生検査技師会理事会 平成15年7月15日合意事項>

一、

社団法人日本臨床衛生検査技師会「定款」第4条に基づく事業を遂行するにあたり、役員並びに会員が遵守すべき事項を定め、これにより国民の技師会活動に対する疑惑や不信を抱く行為の防止と臨床検査技師の社会的信頼確保を目的とする。
一、 会員は「倫理綱領」を遵守するとともに、医療人として組織人として社会全体の奉仕者であることを自覚し、公共の利益の増進を図り広く社会に貢献しなければならないことを基本的心構えとする。
一、

自らの行動が技師会並びに自らの信用に影響を与えることを認識し常に公私の別を明らかにし、技師会活動やその地位を私的な利益のために用いる行為を行わない。

一、

関連業者との間で、本来自らが行うべき責務を負担させること並びに対価を伴わずして、役務、物品等の貸与を受ける行為を行わない。その他、公正競争規約に抵触する行為を行わない。

一、

学会をはじめ各種研修時等に付随して行われる懇親会等も、国民の疑惑や不信を招くことのない様に十分考慮して慎重に対処する。

 以上、社団法人日本臨床衛生検査技師会として、尚一層の綱紀粛正に努め、上記事項について慎重に対処することを、役員をはじめ会員に啓発し推進することを申し合わせる。


【臨床検査薬プロモーションガイドライン】
<社団法人日本臨床検査薬協会平成16年7月1日改定>

 関係法令を遵守し、公正な競争を維持するために、臨床検査薬(体外診断用医薬品およびその他の検査薬を含む)を取り扱う企業がそのプロモーションを行う際の行動基準を提示し、もって会員会社の参考に供する。
1.会員会社の責任

会員会社は、臨床検査薬情報担当者の行動を含めたプロモーションに関する一切の責任を有する。この認識のもとに会員会社は、それぞれ公正なプロモーションのための行動基準や社内体制を確立する。

2.臨床検査薬情報担当者の行動基準

会員会社は、適切な者を臨床検査薬情報担当者に任命し、臨床検査薬情報担当者は医療の一端を担う者としての社会的使命を十分に自覚し行動する。

3.プロモーション用印刷物および広告等の作成と使用

会員会社は、プロモーション用に各種印刷物、スライド、VTR等の資材を作成、使用し、また専門誌(紙)に広告を掲載するに際しては、その資材・広告が、臨床検査薬に関する情報を提供する重要な手段であることを認識し、その作成、使用、掲載にあたっては、薬事法、独占禁止法、景品表示法、著作権法等の関係法令に従うとともに、記載内容の正確性、公平性、客観性を担保する。

4.物品、金銭類および役務の提供

会員会社は、医療機関等(衛生検査所を含む)に対し、臨床検査薬または臨床検査機器の取引を不当に誘引する手段として、これらの使用のために必要な物品又はサービスその他正常な商慣習に照らして適当と認められる範囲を超えて物品・金銭・役務等の景品類を提供してはならない。

5.医療機関等と臨床検査機器の取引を行うときの留意点

会員会社は、臨床検査薬の取引を不当に誘引する手段として医療機関等に対し、臨床検査機器を無償で提供するようなことがないように留意し、取引の内容を契約書等で明示することが必要である。

6.試用臨床検査薬の提供および臨床検査機器の試用貸出し

会員会社は、医療機関等に対する試用臨床検査薬の提供や臨床検査機器の試用貸出しに際しては、これらの外観、特性、性能、操作法および取り扱い上の注意等に関する情報提供の一手段、評価の一助として用いられていることを認識し、この目的に照らして合理的な範囲内でこれを行う。

7.研究会等の実施

会員会社は、医療関係者または医療機関等を対象に製品に関する研究会等を行う場合には、出席者に専門的情報を提供する学術的なものとすることが望まれる。



以上