臨床検査技師の仕事
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5 臨床検査技師の資格を生かせる職場は、病院をはじめとして、病床を持たないクリニックや健診(検診)センター、分析検査を専門に行う臨床検査センター、医療関係の研究施設など、多岐にわたっています。また、臨床検査に関する知識を活用して、臨床研究コーディネーターや薬剤メーカーなどの企業、保健所などにも活躍の場があります。 いずれの場合も、精度の高い検査はもちろんのこと、常に迅速で精確な検査結果を提供し、専門的な知識と技術でさまざまな要望に応え、医療の質の向上に貢献しています。地域の健診(検診)施設や開業医からの検体を集結し、分析するのが臨床検査センターです。大量の検体を処理するとともに、病院では対応できない特殊な臨床検査も行います。各種の検査が正確に分析されているか、常にデータを確認するとともに、医師や病院からの検査に関する問い合わせにも対応します。CRCは、臨床研究や新薬の治験(効果を確認する臨床試験)に対して、倫理的・科学的に信頼性があることを保障するため、試験の手順や正当性、被験者の同意などの確認などを行います。さらに試験データの記録、症例報告書の作成など、治験の開始から終了までを幅広く支援する専門職です。CRCの活躍によって、新薬の安全性や有効性が担保され、いまだ治療法がなく苦しんでいる患者さんに、より安全で効果の高い治療法が届けられます。臨床検査 センター医療機器メーカーでは、検査に必要な各種医療機器の開発や安全管理、保守点検・試料の品質管理などを行っています。また、全国のどの病院、どの検査センターで検査を行っても常に同じ結果になるように、検査の標準化にも取り組んでいます。医療機器 メーカー臨床研究 コーディネーター (CRC)

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