臨床検査技師の仕事
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6臨床検査って何?検体検査と生理機能検査(生体検査)があります 微生物学的検査は、採取した便、尿、膿、喀痰、咽頭などを培養し、感染症の原因となる微生物を特定するとともに薬に対する感受性(効き具合)を検査します。微生物学的検査尿や喀痰、膿など患者さんから採取された検体より感染症を起こす菌を探します。目的の菌により寒天培地を使いわけ、菌種や効果のある抗菌薬を調べます。また、冬に大流行するノロウイルスの検査も行っています。海老原一也 (東京女子医科大学東医療センター検査科)技師からの一言血算や白血球分類、凝固機能検査は、血液の病気だけではなく幅広い疾患に関連しています。病気の診断や治療法、治療後の効果判定に役立てる事はもちろん、顕微鏡で細胞をのぞき、病気につながる異常を直接自分の目で発見することができるのも、この分野のやりがいです。渡辺愉美 (旭川医科大学病院臨床検査・輸血部)技師からの一言血液学的検査 血液中の血球成分(白血球、赤血球、血小板)の数や形態、機能を検査します。貧血の種類や白血病をはじめとするさまざまな血液の病気を見つけることができます。また、血液を凝固させたり、凝固させすぎないようにしている成分を分析したりすることにより、身体の中で起こっている病態を確認することができます。 血液をサラサラにするお薬の効果も見ることができます。検体検査人体から採取した血液、尿、喀痰、組織、細胞、体腔液などの検体を用いて調べます。精度を保証し、正しい検査結果を提供するためには、採血・採取*から検査、結果報告までのすべてを臨床検査技師が行っています。さらには検査についての説明・相談も担当業務の一部です。 臨床検査技師は、これまで診療の補助として患者さんから採血するという検体採取業務を行ってきました。さらに2015年より、鼻腔拭い液、鼻腔吸引液、咽頭拭い液、口腔の粘膜、口腔の病変部位の膿、綿棒を用いて肛門からの糞便、表皮並びに体表を採取する行為(生検のためにこれらを採取する行為を除く)、皮膚並びに体表の病変部位の膿、鱗屑(りんせつ)、痂皮(かひ)、その他の体表の付着物などの検体採取も担当することになりました。この業務拡大については、厚生労働省の指定を受けた日本臨床衛生検査技師会が主催する講習会を修了することが必要です。◆正しい検査は正しい検体採取から安全安心の講習会修了マーク*注

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