JAMT 平成30年度 定時総会 招集ご通知
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【第1号議案】平成29年度事業報告の件我が国の皆保険制度は世界に類を見ない制度として、様々な制度改正を実施しながら、発足から60年近くが経ち、皆保険制度に支えられ、国民の平均寿命は男女とも80歳を超え、世界一の長寿国となった。団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、5人に1人が75歳以上になると推計されている。そうしたことから、平成26年6月に制定された、医療介護総合確保推進法(略法名)において、病院の病床機能の分化・連携を進めるとともに、入院から在宅への流れで在宅医療の充実を図り、病気になっても可能な限り住み慣れた生活の場所において、必要な医療・介護が受けられ安心して生活を実現できるよう地域包括ケアシステムの構築を目指す政策がとられている。国は医療提供体制を「病院完結型医療」から「地域完結型医療」へと見直す政策転換を図っており、この流れに如何に臨床検査技師の働く場所を見出すかが今後の重要な課題である。今まで、臨床検査技師は、検査室において多量検体をいかに効率よく、品質の高い検査データを迅速に提供するかに重点を置いてきた。今後は検査の全工程、検査前説明、検体採取、検査実施、検査所見に責任を持ち、更に患者の病態把握に努め、それを的確に臨床側(医師、他職種、患者)へ伝える能力を持った人材の育成に重点を置くことが必要である。従来の中央検査室での業務から、より患者に近い場所での業務が求められており、臨床検査に関する自らの専門的な技術・知識に加え、患者診療に関わる他職種の業務内容を理解して、多職種連携のチーム医療に積極的に参画することで、医療の質の向上、真の患者のための医療提供に貢献する必要がある。平成29年度においては、医療情勢、医療技術の急速な進展に対応するため、当会では、国が進める医療と介護を主軸に患者を地域で支える「地域完結型医療」を視野に、多職種連携医療の中で、専門性を生かして活躍できる人材育成に取り組む事業等を中心に進めており、事業等の詳細については、下記のとおりである。1.公益目的実施事業 ~ 臨床検査精度保証事業/臨床検査精度管理調査事業 ~当会は、国民に安心安全な質の高い医療を提供するために品質・精度保証された検査データを確立し、社会的に評価される仕組みの構築に向けて、臨床検査全般にわたる精度管理、データ標準化、施設認証など一連の事業に対応すべく、日臨技としての精度保証のあり方について検討を進めた。1)平成29年度日臨技臨床検査精度管理調査⑴ 今年度は、4,026施設・4,069件の参加があり、昨年度より92施設増加した。施設別報告書は、8月末にJAMTQCのサイトで公開した。総合報告書は、2月末にJAMTQCで公開、3月初めに総合報告書(CD-R)を各施設宛に郵送した。⑵ 日臨技臨床検査精度管理調査総合報告会を平成30年3月3日(土)に「TFTホール1000(東京都江東区)」で開催し、参加者数は674名で活発な質疑応答が行われた。2)臨床検査精度保証施設認証平成30・31年度精度保証施設認証は、日本臨床検査標準協議会と連携して認証審査した結果334施設(新規申請77施設、更新申請257施設)を認証した。前年度より63施設増加し、精度保証施設認証総数は805施設となった。3)臨床検査データ標準化の推進⑴ 平成19年度から実施している臨床検査データ標準化の実施内容を総括し、今後の事業展開を見直した。基幹施設の検査データの精確度については、6月の全国臨床検査精度管理調査に加え、8月及び11月の年3回の精度管理調査を実施して評価した。⑵ 日本検査血液学会血球形態標準化小委員会と共同で骨髄細胞標準化(案)の検討を開始した。⑶ 全分野における日臨技サーベイ「C・D」評価施設へのサポート事業として、「C・D」評価施設の検査技師とデータ乖離の原因について意見交換を行う結果検討会を2都道府県で開催した。⑷ 品質・精度管理基準事業  質・精度保証検証ワーキンググループ(以下、WG)が精度保証事業の両委員会(精度管理調査・標準化)、及びWGの活動内容を把握し統制を行うことによって、日臨技としての精度保証のあり方・方針についての策定に着手した。⑸ 生涯教育研修制度  都道府県委託事業として、申請のあった754件の研修会等に対して支援を行った。3

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