Pipette Vol.8
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4だ、準備したことが頭に入ったときは、もう大成功するという強い自信が出てきて、努力の大変さは全部消えて、楽しさが勝っちゃうし、喜びが勝っちゃう。努力している最中ってつらいけれど……。―どうしてこんな大変なこと引き受けたのかと。そう、そうなんですよ(笑)。でも、すべてが頭に入ったときは、もう、早くお客様に見せたいなって(笑)。―パワフルですね!ワクワクするのがいいんじゃないかしら、健康には。優しい目線の背景にあるもの―優しい絵を描かれますね。油彩は逆に力強い印象です。アニメ的なものは小さいころから描いていて、水彩も幼いころから描いていました。油(絵)を本格的に勉強し始めたのは八代亜紀になってからで、25年ぐらい前です。油の手法はルネッサンス期の手法で、薄く重ねていくというものです。水彩は、深みはないけれどもきれいに美しく描けるんです。油は、この水彩にプラスアルファの深みを感じられるところが大好きで、これが出せるのがルネッサンス期の手法なのね。1センチも2センチも厚塗りする油絵は昔から敬遠してましたが、薄く重ねるこの方法に今、ものすごくはまっています。私が望んでいる絵だなと。―絵を描くスケジュールは?決まっています!まず、コンサートとテレビのスケジュールが決まって、絵を描くのはその前後です。油には乾かす日数が必要ですからちょうどよい。12~13日、コンサートとテレビをやって、その後3日、ずっと絵を描きます。15から20点ぐらい並行して描いていきます。絵を描くっていいですよ。楽しいです(笑)。アトリエ風景絵画に没頭できるリフレッシュタイムは月に6日間。「こら!」 柿を取る子どもたちを「なんばしよっとか!」と叱るおじいさん。「むやみやたらと木に登ると、枝が折れやすいから怪我するぞ」という優しさに満ちた昭和の時代のエピソード。初画集「みんな、こどもだった」(PARCO出版)から。

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