Pipette Vol.12 Summer 2016
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10第 回12ルソールソー (ジャン・ジャック・ルソー)ジュネーブ共和国生まれの18世紀の社会思想家。生後に母を失い、父から捨てられる苦労を経たのち、放浪の上、フランスでヴァラン夫人の保護を受け、さらに夫人の愛人となり、別離後もママンと慕った。43歳で『人間不平等起源論』、49歳で『社会契約論』『エミール』を刊行。のちの市民革命や人民主権思想に大きな影響を与えた。『エミール』の教育論は「子どもの発見」として学問的意義を有するが、自身は下宿屋のエリーゼとの間の5人の子どもを孤児院に捨て子し、「天才と狂気」「逆説と矛盾」の人ともいわれる。自伝『告白』で、持病の泌尿器疾患や尿道カテーテル治療、長年の医師不信について述べている。66歳没。ルソー様 男性49歳検査結果報告書※同時代の啓蒙思想家で自由主義の立場にあったヴォルテールとは、互いに認め合いながらも、批判し合う関係となった。1755年のリスボン地震に対する論争にとどまらず、『エミール』刊行後は、捨て子したルソーを人倫的な立場から痛烈に批判。しかし、この両雄は1778年に相前後して亡くなった。※本編はフィクションです。  「各構成員の身体と財産を、 共同の力のすべてをあげて守り保護するような、結合の一形式を見出すこと。そうしてそれによって各人がすべての人々と結びつきながら、しかも自分自身にしか服従せず、以前と同じように自由であること。」これこそ根本的な問題であり、社会契約がそれに解決を与える。私だけがこんなに苦しむとは!なんて私が考える理想の社会はルソー君。あなたの著作を読むと、人は四つ足で歩きたくなりますよ……。自然状態の「野生人」は、文明人より頑健な身体能力を有し、裸体であることも住居がないことも苦にしない。自己愛とともに他者への「哀れみ」の情があり、か弱い子どもや病弱な老人が苦労して手に入れた生活物資を取り上げたりしない。ある土地に囲いをして、「これは私のものだ」と宣言することを思いつき、それをそのまま信じるほど単純な人々を見つけた最初の者が、市民社会の真の創設者である。検査項目結果尿一般タンパク(±)糖(-)潜血(+)尿流率検査不良膀胱内尿量(放尿直後)多いCRP(血清)3.5mg/dL(軽度の炎症)PSA(血清)1.8ng/mL(前立腺肥大と前立腺がんをともに否定)です!なんだ!ヴォルテールルソーコレ

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