pipette_vol14_winter_2017
6/12

6がつながりました。さきほどのテレビ番組を見ていた方から「アイスショーに出ませんか」と連絡があったのがきっかけで、羽生選手とは、以前にアイスショーでコラボをしているんです。羽生選手は仙台出身なので、震災に対しての思いがとても強いですし、ゲーム好きだということもあって、この曲を選んでくださったようです。彼が滑って、私が生で歌いました。その後も、気に入っていただいて、全日本と世界大会のエキシビションのときに、この曲で滑られたんです。―オーストラリアには地震はないですね。地震はないですが、ほかの自然災害はいっぱいあります。3・11(東日本大震災の発災日)に、私は日本にいたんですが、ほとんどの友人は帰りました。フランス人は一番早く帰りましたね(笑)。私は、何もできないかもしれないけれど逃げたくない、日本に残って少しでも貢献ができたらと、帰らなかったんです。―そういう強い思いが、この曲に結びついているわけですね。そうですね。そして、今回の熊本地震。南こうせつさんからオファーがあって、熊本の震災コンサートのために、九州のメンバーと一緒に、復興チャリティコンサートもやらせていただきました。―私たち臨床検査技師会も、熊本の震災のときはすぐに動きました。発災後の早い時期から対策本部を立てて医療救護活動に取り組みました。その活動の様子をパネルにして、今回の世界学会でも掲示して海外からの参加者に紹介しました。秋篠宮同妃両殿下にもご視察をいただきましたが、避難所生活の中での検査風景をパネルにしてデモンストレーションをしたので、両殿下もずっと立ち止まられました。 エコノミー症候群というのをご存知ですか。それを未然に防ぐように、私たちのチームは検査をして回ったんです。長時間、飛行機に乗っていると起こるものですね。避難所などでも、同じような症状が出るのですね。―極端に動かない生活になりますから、ふくらはぎから血が溜まっていって、血栓ができて、その血栓が心臓に来るというリスクが、通常の生活をしているときに比べて格段に高まります。この検査は、超音波を当てて覗くだけです。椅子に座ってもらって、5分ぐらい機器を使って皮膚を撫でるだけでわかるんです。そんなすばらしい検査があるんですね。―被災者のそばまで出向き、健康管理の活動ができたことは、本当によかったと思っています。インタビューを終えて日豪二つの母国を大切に考えるサラさんは聡明、謙虚でチャーミングな女性でした。ますますの活躍を期待しています。      *次回は、東日本大震災の被災者の供養のために地蔵菩薩を彫り、宮城県気仙沼市に「気仙沼みちびき地蔵堂」を建立した、俳優の滝田栄さんをゲストに迎えます。仏像制作や仏教の研究について伺います。お楽しみに。プロフィール●1986年オーストラリア・シドニー生まれ。ヴォーカリスト、ヴァイオリニスト、作曲家、作詞家、翻訳家。母親は日本人の音楽家で、5歳よりヴァイオリン教育を受ける。2006年、シドニー大学入学。2008年には、世界で25名の学生が選ばれる東京大学留学生として同大学教養学部に留学。その間、絵本の翻訳やコピーライターとしての活動も行う。現在、コンサートツアーのほか、FM東京・大阪ラジオパーソナリティ、NHK Eテレ「おとなの基礎英語」にも出演中。サラ・オレインSarah Àlainn

元のページ 

page 6

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です