Pipette vol.27 2020.4 Spring
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 乳がんは日本女性のがんで一番多いがんです。乳がんにかかる割合は増加の一途をたどっていて、生涯のうちに乳がんになる割合は、50年前50人に1人でしたが、10人に1人の時代が目の前となっています。と診断されています。また、乳がんで死亡する女性の割合も年々増加傾向にあり、年間約15,000人が亡くなっています。(2018年) 増加の一途である乳がんの約90%は乳管から発生し、乳管がんと呼ばれます。小葉現在、年間9万人を超える人が乳がんから発生する乳がんが約5〜10%あり、小葉がんと呼ばれます。乳がんは、小さいうちに見つけると、治る可能性の高い病気です。早期で見つかった場合、90%以上は治ります。乳がんは進行するとリンパ節や骨、肺、肝臓など乳房以外の臓器にがん細胞が転移して様々な症状をひきおこしたり、命を脅かしたりするようになります。乳がんは男性にも発生し、男性の乳がんは年間の死亡数で女性の乳がんの100分の1以下のまれながんです。(担当 臨床検査技師・放射線技師) 乳房に超音波を当て、その反射波を画像に映し出すことで乳房内部の状態を知ることができます。上半身のはだかになり診察台に仰向けに寝て行います。乳房にジェルを塗り、プローブと呼ばれるセンサーを当てて、モニターに乳房断面の画像を映し出します。痛みはありません。 乳房専用のレントゲン検査です。少ない放射線の量で安全に乳がんの検出ができます。透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く伸ばして撮影します。乳房のなるべく多くの部分を撮影するため、また少ない放射線量でがんと正常部分の区別がつくりやすい画像を作るためです。検査のときは多少痛みがあります。乳がんの検査乳房超音波検査とはマンモグラフィーとは乳房超音波検査とマンモグラフィー超音波検査は石灰化を検出することは困難ですが、乳腺の多い人も、しこりの検出には優れています。検査として優劣があるわけでなく、検出するのを得意とする病状に違いがあります。マンモグラフィーは石灰化を検出することに優れており、しこりを作らないおとなしい早期の乳がんの発見に有用です。しかし閉経前で乳腺の多い人(高濃度乳房)では乳腺の中にあるがんを見つけることがむずかしいことがあります。    す。是非、検診を受個人の状態により、適切な検査が異なります。検査の選択に迷う場合は、受診施設にご相談ください。検診は年1回受けてください自己検診も重要です、乳がんの60%は自分で発見されています。しかし進行していることも多いので早期発見を進めまけてください。何が違うの?どちらを選ぶ?乳がんの確定診断しこりの一部の細胞や組織を取り、がんかどうか顕微鏡で調べる検査です。がん細胞が含まれていれば、その細胞の種類や性質なども調べます。細胞検査の担当は、臨床検査技師と医師。10|Pipette76,839人(2013年)14,015人(2016年)

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