Pipette vol.27 2020.4 Spring
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ザーズと共同開発した介護予防ロボットで、家にいるのが大好きな高齢者と一緒にスクワットをします。 日本整形外科学会が、ロコモになっていく高齢者の症状を、何とか食い止めるための運動として、スクワットを提唱しています。 ただ、お医者さんが診察の際に「運動してください」と言ってもなかなかやらないのが現状で、次に辿り着いたのが、理学療法士や看護師さんが直接電話をして、一緒にスクワットをやる「ロコモコール」でした。 でも、ロコモコールにはたくさんの人と時間が必要です。これをロボットで代替えできたらと、ロコピョンが誕生したのです。 ロコピョンは毎日3回、必ず声をかけて、やるまで声をかけ続けます。「うるさいなあ」と思って声を止めようとしても、やらない限り止められないので、前に立って一緒にやるしかない。 前に立つまでは強制的ですが、やりたい回数は聞いてくれます。元気だったら「10回」と言えばいいし、あまりやりたくなかったら「2回」でもいい。とにかく、やることをオートマチックに習慣づけます。1日3回、1回につき15回のスクワットをするだけで、筋力は維持できるとされています。それを目標にスクワットをしてもらい、その様子が、遠く離れた家族、自治体、お医者さんなどに、「○○さん、朝の部、15回やりました」といったメールが転送され、安否確認にもなります。修士論文を書くとき、試作したものを80代のご夫婦に2カ月貸し出して、データをとったのです。最初、お父さんは嫌がっていたけれど、引き取りに行ったときに、お母さんが、「お父さんがものすごく楽しそうにやっていたのよ」と言ってくださって、お父さんも、「その子がおらなくなったら、もうスクワット、できんくなるわ」とすごく残念がられて……。うれしかったです。 形については、ヒト型、ぬいぐるみ型、ロボット型と思案中ですが、いろいろ調査して、やはり高齢者が馴染みやすいものにしたいと考えています。置いています。ネズミを飼育して、食事制限をさせることで、寿命、皮膚、さまざまな臓器にどのような影響があるかについて、共同で研究させてもらっています。テーマはアンチエイジング、老化などです。ただ、早稲田でも基礎老化学という研究室に籍を置いているので、博士論文は早稲田で書くことになると思います。―老化学、アンチエイジングを研究されているのですね。 食品も絡んでいるので、どんな食品をとると、自分の人生をより健康的に、より楽しくできるかというところに辿り着けたらと思っています。―食は非常に大切で、とり方によって生活が違ってくるということですね。 そうです。今、ご飯を食べないという風潮がありますね。でも、日本人は昔からお米を食べて生きてきています。私は、まいまい田んぼを持っていて、まいまい米(まいまいまい)というお米を作っています。お米を食べてもらいたいのですが、「お米は太るから」と敬遠する人が多く、お米が悪者になっている現状があります。「そうではない」と伝えたいのです。 お米は、炊き立てを食べると太るけれども、冷えたものなら太らないというデータが出てきています。冷やすことで栄養価が高くなり、日本人の重要な主食として復活できるのではと思っていますので、炊き立てと冷えたものの違いを研究したいです。―研究テーマとして、ぜひ掘り下げていただきたいですね。 熱々のご飯ではなく、おにぎりが流行るかもしれませんね。予防医学につながる研究にしていけたらと思っています。―予防医学について博士課程で研究されていますが、これからの目標を聞かせていただけますか。 現在は、東大・農学部の栄養学に籍を研究者としての目標「ロコピョン」と一緒にスクワット!5  「「ロロココピピョョンン」」ははAAIIベベンンチチャャーーののエエククササウウィィうさぎのぬいぐるみ型は、高齢者には馴染みやすいようです!

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