Pipette vol.30 2021.1 Winter
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The interview  :::他  でのんびりした学生生活を送っておりました。受験も考えておりました。でも、美術大学を志望なさっていらっしゃる方たちの予備校というのでしょうか、デッサンをやったりする所に見学にまいり、レベルの高さに「到底、無理だな」と諦めかけていた頃、高校3年の夏休み前に、姉の事務所のマネジャーから「NHKに遊びに行ってみない?」と言われて、多少の興味もあり一緒に参りましたところ「じゃあカメラの前に立って」「これを読んでみて…」と、オーディションのような状態だったのです。その当時有名になりました庄司薫さんの『赤頭巾ちゃん気をつけて』という小説がありまして、それの続編の『白鳥の歌なんか聞えない』というテレビドラマを連続で10本制作するので主役の由美ちゃんという女の子を探しているということだったのです。そんなこととは知らず呑気について行ったのです。でも、新人では無理でしょうということで一旦は、キャンセルになりました。ところがしばらくして、「再度やってみようと思うので」とNHKからご連絡が入りました。「ついては夏休み中、演技の特訓をしてほしい」と言われ、毎日のように渋谷の放送センターに通うことになりました。当時の学習院はとても厳しく、芸能活動などは許可されませんでしたが、幸い放送が3月の卒業式の後でしたので、もしも何か問題があった場合にとお預けしていた「退学届」も返していただき、無事卒業することができました。監督熊澤尚人 脚本出演深川麻衣 高良健吾 まなべゆきこ香里奈 ―仁科さんは芸能一家にお生まれとのことですが、ごく自然に芸能界に入られたのでしょうか。それとも小さい時には他の夢もあったのでしょうか。私の父は歌舞伎役者をしていましたし、すでに姉は芸能界に入っていました。私は小さい時から絵を描くことがとても好きで、美術大学に入りたいなと思っていました。小学校からずっと学習院 NHKテレビドラマ『白鳥の歌なんか聞えない』で芸能界デビューされた仁科さんですが、役柄では、大都会ずる黒岩捜査課部長刑事の妹黒岩恵子役の印象が強く印象に残っています。お父様が歌舞伎役者の十代目岩井半四郎さん、お母様が元松竹少女歌劇団の女優月城彰子さんとの間に次女として生まれ、お子様たちも芸能界でご活躍される芸能一家です。 しかし、1991(平成3)年5月、子宮頸がんを発病し、手術により子宮、卵巣、リンパ節を摘出、さらに抗がん剤治療および放射線治療を受けておられます。38歳という若さでした。その後、後遺症に悩まれながらも女優復帰も果たされました。最近では自らの闘病の経験をもとにご執筆やご講演活動、さらには「子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会」の発起人を務められるなど社会的にも活発にご活躍中です。PARTII(1977年、NTV/石原プロ)で渡哲也さん演仁科亜季子出演映画「おもいで写眞」2021年1月29日(金) 全国公開幼少期からを振り返る仁科亜季子後遺症を乗り越えて2|Pipetteゲスト聞き手綿貫 裕女優奥新クリニック臨床検査科 技師長Guest:仁科 亜季子The interview仁科 亜季子

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