Pipette vol.32 2021.7 Summer
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戦後、日本人の食生活の欧米化に伴い、脂肪分の多い肉や卵などの摂取が増えました。その結果、心筋梗塞や糖尿病、痛風、脂肪肝といった生活習慣病をはじめ、大腸がんや直腸がんなどが増えてきました。「胆石症」もその例外ではなく、食生活の欧米化が原因のひとつと言われています。さて、「胆石症」とは胆のうや胆管に石(「結石」と言い、例えばコレステロールの結晶が固まった物など)が出来ることで、みぞおちに激しい痛みをともなう様々な症状の総称です。結石ができる場所によって大きく3種類に分けられ、胆のうにできる「胆のう結石」が最も多く、胆汁が通る道にできる「総胆管結石」、肝臓の中の胆汁が通る道にできる「肝内胆管結石」があります。胆汁とは消化液のひとつで刺激が強く、脂っこい食事が原因でたくさん胆汁が出ることにより腸への刺激が増え、大腸がんを引き起こす原因のひとつともいわれています。しかし、赤血球を壊してしまう病気などでも胆汁が増えることがあるので、体質的に胆石症を発症しやすい方もいます。みぞおちの激しい痛みがでる原因として心筋梗塞や膵炎、虫垂炎が原因となることもあるので注意が必要です。よって、みぞおちに激しい痛みが出た場合は決してガマンせずに、直ぐにかかりつけ医の診察を受けてください。臨床検査技師とは…腫瘍マーカーはがん細胞がつくりだす、あるいはがん細胞に反応して体内で産生される特徴的な物質(PSA・CEA・AFP・CA15-3・CA19-9など数十種類があります)の総称です。この検査は病院や健診などで広く調べられています。現在では検査技術の進歩によりおよそ1時間程度で結果を知ることができます。しかし、腫瘍マーカーはあくまでも一つの指標ですので、その結果だけでがんの診断を確定するわけではありません。他に画像検査、病理検査、内視鏡検査などを組み合わせて総合的に判断します。腫瘍マーカー編「胆石症」臨床検査技師のつぶやき  1マスコット。本誌に登場し、わかりやすく解説してくれます。Pipetteマスコットキャラクターピペトンピペ子臨床検査技師のお仕事を広く周知させるべく誕生した胆のう肝内胆管結石胆のう結石総胆管結石

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