Pipette vol.32 2021.7 Summer
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に1日集中して書く感じです。1本のコラムは大体900〜1、000字ぐらいなのですが、2時間程度でさらっと終わるときもあれば1日かかってしまうこともあります。―割と並行していろいろな話題が頭の中におありですか?そうですね。書くときは大体パソコンを2台立ち上げます。私は週に1日で3〜4本を書いてしまうので、そういうときにはパソコンを2台立ち上げて、並行しながら書いていますが、そういう人はめったにいないみたいです。―マルチなことができてすごいと思います。室井さんのネタ探しや切り口など、その題材となるポイントはどのようなときにひらめきますか?一例ですが、社会記事、政治問題などの新聞を読んでいて、「これはひどい」と思ったり、逆に「もっと広めるべきだろう」と思ったりするのは、目に入ってきやすくなります。書く仕事は実は誰でもできると思っています。でも、1つだけ一般の人にはできないことがあると思います。それは、自分の心の中身は誰にも読めないということです。どんなに仲がいい人でも心の中を全部読み取ることはできないですよね。書くときには、それを出す部分は決めているけれども、更に超えてどれだけ出せるかということです。―とても聞きづらいことで恐縮なのですが。膵臓(すいぞう)についてのお話をさせてください。一般に膵臓は、私たち医療業界では沈黙の臓器と言われておりまして、症状など何か自覚があったときには進んでいることが多いと言われているものなのですが、このときには体調の変化など何か気付かれることがおありだったのでしょうか?すごく不思議なのですが、私はこのとき少し空気が入っている感じで違和感のようなものがあり、胃潰瘍になりかけているのではないかと思って病院へ行きました。せっかく病院まで来ているのだから、悪いところはないのかと言って調べてもらって偶然に病気が発見されました。―膵臓の3分の2を取られるような大きな手術をされて、手術が終わった当初は何か生活ですごく不便なことや不安になったことなどはありましたか?今は少しですが、寒かったり痛くなったりしています。私はとんかつやステーキはロース(ヒレより脂っこい)のほうが好きですが、脂っこいものとお酒を調子に乗ってたくさん食べたりすると、夜はおなかに石が詰まったようになってしばらく眠れなかったりすることがあります。―手術後は、糖尿病に進まれてしまったということですが、自己管理がすごく大切なご病気だと思います。テレビやラジオのお仕事などは時間が決まっていないことも多いと思いますが、いろいろな工夫をされていらっしゃる場面があるかと思いますが如何でしょうか?最初はすごく苦労しました。ご飯を食べた後に糖尿病のお薬を飲まないといけないことを忘れていて、ガスがおなかから全然出なくてすごくおなかが腫れ上がってしまって痛くなるということがありました。今はもう歯を磨いたりお風呂に入ったりするのと同じで慣れてしまいました。あとは「薬を忘れたら言ってね」と周りの人に言っておきます。(笑)―今でこそコロナのPCRなどで臨床検査技師は少し世の中に名前が出てきたのですが、それまではあまり知られること大病を乗り越えて       3

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