Pipette vol.32 2021.7 Summer
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す。女性は子どもを産んでいく性だから、自分が死ぬということがあっても本当にぱっといなくなるということだと思っていないのです。子供の中に確実に私が何%かは入っているという考え方なので、怖くないのではないかと思います。―すごく素敵なエールです。女性はみんないろいろなことを引き受けなくてはならないのですごく大変ですが、その中で継いでいくことや、守るものがあったりしますね。編集現場では、若い新人の子にはベテランの人が付きます。私はもう20年を超えてしまったので若い子が付くのですが、女性担当編集だと、その平均が60点だとすると60点以下ということは絶対にないです。きちんと時間を守ったり、赤を入れるのもそのルールを守ったり、みんな集者が来ると気持ちが悪いぐらいに120点で、「あなたはどうしてここで私の担当なんかやっているの?」という感じです。例えば自分で会社を起こせばいいと思うぐらいに読み込めていて、「こう直せばいいよ」と書いてきたのが明らかにその人が書き直したほうが全然良かったりします。逆もあります。時間を守れなかったり少し叱ったら全然電話に出なくなったり、バランスが悪いですね。―女性はきちっと平均なのですね。きちっと平均です。なぜなのか不思議です。あまりそういうふうに言うと差別などにつながってしまうと言われるのですが、性差のようなものはあるような気がします。―これを読んだ方は、そうと思う人が多い気がします。新人さんは特に。だから医師も本当は半分ずつくらいになったらいいと思います。男性の医師がいいときも女性の医師がいいときもありますので・・・(笑)―そう思います。いいバランスで両方がなったらいいのでしょうけれども、まだ日本は先が長いですね。―室井さんの今後の活動に目が離せないのですが、近未来、あるいは、遠い将来(夢)の予定がございましたら、その一端でもお教えいただけると嬉しいのですが?全然考えていないです。ただ、私は会いたい人にはすぐに会っているし、あとは、今はコロナで我慢をしないといけないけれども行きたいところは大体行っています。多分、毎回体の自由が利かなくなるような締め切りに追われているから残り時間をすごく考えているのだと思います。だから結構フットワークが軽いです。今後どうなるのか、今は全く先が見えません。物は書いていくのだと思うのですが、それは依頼されてというところが大きいいった女性の活躍について何かお考えはお持ちですか?私は、男性だというだけで例えば給料が高かったりすることは許せないと思っています。あまりそういうことを言い過ぎると逆に男性差別につながったりすると言う人もいるのですが、女性は虐げられた歴史があったけれども諦めないでずっと男性を産んできたわけです。昔のそういう歴史を考えれば、少し女性がひいきをされているぐらいでいいのだと思うのです。ですが、現在はまだそうなっていないのが現実だと思います。それと、男女での体格差はあると思いますが、私は重い荷物があったら「持てない」と言って男の人に持ってもらおうという派です。だからできることをできるほうがやるという役割分担でいけばいいと思いますが、それにしても女性の負担が多かったのは事実だと思います。ただ1つ思うのは、次に生まれても私は女性がいいと思っています。50歳を超えて最近は同世代の友達なども病気の話をすることが多くなってきたのですが、男性より女性のほうが死についてあまり恐れていないと思います。怖さがないですね。死は私も経験をしたことがないから病気になったりしたら怖いのですが、「どうせ後はもう神様しか知らないのだからどうとでもなれ」と、「あしたはあしたの風が吹く」と専門家に任せていればいいと思いま今後の活動について       560点は確実です。ところが男性の担当編

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