Pipette vol.33 2021.10 Autumn
7/12

1人一万円を払って登録してくださっているのです。「すみませんが、先生、一万円払ってメンバーになってください!これがライオン基金を支えますから」と言いますと、みんな笑いながら「分かった、分かった」と言って一万円を払って登録してくれています。(笑)昨年からの新型コロナ感染症の対応には、この先生方に大活躍していただきました。医師と看護師さんが一緒に福祉施設や高齢者施設で勉強会を行っていただきました。これにより感染防護法、感染者への対応、クラスターになった場合のゾーニング法など、前もって準備が可能になりました。参加施設は200以上で、リモートでの参加を入れますと2000人くらいが参加しています。ここでお医者さんには、きちんとしたお手当を出さなければいけないという意見もありましたが、「ボランティア精神があって『ただでも行くよ』と言うお医者さんの言葉が本当は一番心に伝わるんだよ」ということも言っていただきました。―そういった先生方がやはり集まってくるのは、さださんの元々の精神がそこに根付いているからなのではないでしょうか。自ら進んで私は行くと言う人もいますけれども、ここはその人の哲学なのだろうなと思います。普段からどういう哲学に接しているかでだいぶ違うと思いますが先生方には大変感謝しております。―医療従事者というのは、基本的に博愛精神の方が多い気がします。医師だから、看護師だからとか、そういった枠にはまらずに日本語表現の美しさや情緒を誰よりも大切にし、歌や小説で我々に感動を与えてくれるさださん。今回お話しいただいた全てを本誌に載せられないのが残念ですが、さださんの信念に基づいた作品作りや社会活動は伝わったかと思います。語り口調も優しく、インタビュー中は、まるでさださんの歌を聞いているかのようでした。次回は、俳優として数々のヒット作に出演し、近年では司会業や声優など多岐にわたりご活躍されている俳優でタレントの峰竜太さんをお迎えいたします。どうぞお楽しみに。手助けをどこかでしたいという気持ちがあるのだと思います。―今回のコロナ禍の中、日頃は病院等の検査室に籠りがちの臨床検査技師も、医療従事者としてPCR検査やワクチン接種の担い手として着目されました。今後も我々ができることは何でも協力していこうと考えています。宜しければ、臨床検査技師を始め、医療従事者の皆さんにエールを送っていただけるとありがたいです。僕はできるだけ定期的に検診は受けるようにしていて、その都度、本当に検査技師の方には、ご助言や勇気を頂いたりしています。医療というのはただ単にお医者さんと患者が向かい合って、その会話の中で薬を出したり、注射を打ったりするだけが医療ではないのは理解しているつもりです。僕はコンサートで拍手をもらっていますが、実はアルバイト、照明や音響の技師、一人一人の心が全部こもっているのがステージなのです。道具を作っている人、楽器を運ぶ人、楽器のチューニングをする人、たくさんの人が集まって初めてコンサートという一つの形になっていくのです。医療もそうだと思います。コロナとの戦いがもう少し続きそうですが、お互いの立場で頑張っていきましょう。―本日は、長い時間、本当にありがとうございました。さださんの益々のご活躍と、ご発展を祈念しております。 インタビューを終えて医療従事者へメッセージ6|Pipetteシンガー・ソングライター小説家さだまさしSada MasashiGuest:さだまさしプロフィール : 長崎市出身。'73年フォークデュオ・グレープとしてデビュー。「関白宣言」「北の国から」など数々のヒット曲を生み出す。'76年ソロデビュー以来、通算4500回に及ぶコンサートのかたわら、小説家としても「解夏」「風に立つライオン」などを発表。2015年8月、風に立つライオン基金を設立(2017年7月、公益法人として認定)。様々な助成事業や被災地支援を行っている。       *The interview

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る