Pipette vol.34 2022.1 Winter
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「尿酸結石」が出来やすいとも言 尿検査では尿潜血反応を調べます。結石が尿路を傷つけることで「血尿」をみることがあり、肉眼や顕微鏡で尿中に赤血球が混じっているかを確認します。超音波検査は簡便で精度の高い検査で、尿管内の結石の有無や腎臓や尿管の状態を確認できます。結石が尿の通り道を塞いでしまい石のある場所より上の尿管を広げてしまうことで起こる「水腎症」等は容易に見つけることができます。腎結石は特徴的に白く描出されます(図)。 血液検査で尿酸値が高い人はわれています。腎機能に障害がないかを調べる検査です。尿素窒素、クレアチニン、尿酸、カルシウム、リンなどの数値を測定します。他にも腹部X線検査、および造影CT検査も行います。 ほとんどの場合は鎮痛作用の強い薬を使い、飲水を積極的に行いながら、自然と結石が流れるのを数日待つことになります。結石が自然排石の可能性は低いので、積極的な結石除去がすすめられています。また状態発現後1か月以内に自然排石を認めない場合にも積極的な治療を行ったほうがよいとされています。代表的な治療方法 専用機器で発生させた衝撃波を、体外から結石に当てて破砕する方法。 麻酔をかけて「尿管鏡」という内視鏡で結石をみながら取り除く方法。以上の場合は、 尿路結石は再発しやすい疾患です。再発を予防するには、1食事以外に1日2リットル以上の飲水を積極的にとる。(ビール・清涼飲料水はNG)2尿路結石症をできやすくするシュウ酸を多く摂らないようにする。シュウ酸を多く含む食品の摂取の仕方を考える。ほうれん草・スイバ・キャベツブロッコリー・カリフラワーレタス・サツマイモ・ナス・タケノコ・バナナなど3高尿酸血症の人は、プリン体の過剰摂取で尿酸結石になることもあるので控える。4カルシウムは一定量とる。5クエン酸をとるようにする。クエン酸はシュウ酸とカルシウムが尿中で結合するのをおさえてくれます。みかん・夏みかん・レモングレープフルーツ等柑橘類酢・梅干し・じゃがいもいちご・トマトなど6ビタミンCは摂りすぎない。7塩分、砂糖は摂りすぎない。 食事以外でも、適度な運動を行い、水分を十分補給し、ストレスを解消して十分な睡眠をとり、精神的な余裕を持つことが大切です。①体外衝撃波結石破砕術(ESWL)②経尿道的尿路結石除去術(TUL)【尿路結石とは】から尿道までの間に結石ができて、尿の流れに支障をきたす病気のことです。中年以降の男性や閉経後の女性に多く見られます。(男性は約7人に1人、女性です。最初は無症状でも、ある日突然激痛が現れたり腎機能の働きに影響を与えることもあります。結石の種類で主なものは「シュウ酸カルシウム結石」「リン酸カルシウム結石」「尿酸結石」などです。尿中のカルシウム濃度が高くなり、尿が酸性に近付くと、カルシウム結石ができやすくなります。尿路結石尿路結石の症状尿路結石の診断尿路結石の治療尿路結石の予防は12人に1人程度が結石を持っている) わき腹や下腹部、背中などに激しい痛みを生じることが特徴。他にも下腹部の違和感、睾丸に響く痛み、残尿感として感じることもあります。痛みとともに血尿がでることもあります。結石が小さければ、尿の流れとともに多少の痛みを伴いながら自然排石することもあります。しかし、結石が大きくなりすぎて、結石が動いて尿の流れをせき止めるようになると痛みを生じます。腎結石や膀胱結石はほとんど無症状で気づかない事も多いのですが、腎臓の石が尿管に落ちたときに激痛が走ることもあります。腎臓から尿管、膀胱健診時の超音波検査で見つかることが多いシュウ酸を多く含む食品クエン酸を多く含む食品10|Pipette10 mm腎臓エコー尿路結石尿酸腎臓腎臓尿管尿管膀胱膀胱結石  

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