Pipette vol.34 2022.1 Winter
6/12

行き、その後はいけすに飼っておいて大きくしました。だから、釣りなどは全然しませんが、魚には大変興味があります。そうした田舎の頃の思い出や経験が自然に植え付けられているのだなと感じることがあります。―生きているものということに関しては、植物も動物もそうですけれども、やはり自分の心に安らぎを与えるということは大きいですね。 そうです。どこかで安らぎになっているかもしれません。―そう思います。私も今は東京に住んでいてなかなかできませんが、田舎にいた頃は夏になるとキュウリを作り、成長する様子を見ながら水をあげたり追肥したりと、それだけでもほっとします。 毎日水をあげるというのもいいですね。僕も一応観葉植物はあるのでそれに水やりはしているのですが。―子供たちは思うようには育たないけれども、野菜のほうが思うように育ちます。そんな感じです(笑)。とが何時も気になっています。インスタグラムをしている知人が田舎の風景をどんどん送ってくれています。古里の風景が非常に心の癒やしになっています。だから、できることならば古里に対して少しでも貢献できればと、観光大使を引き受けました。観光に関することは小さいことから大きいことまでいろいろなことを行っています。長野県の観光番宣のようなラジオの番組も持たせていただいています。これからどのような形でもいいから古里に貢献していこうという気持ちはあります。本当は小さくてもいいから田舎に家を持ちたいぐらいなのです。古里に同級生もまだたくさん元気でいますし、そうしたことで気持ち的には直ぐに古里に戻れますね。―日々、緊張の連続ですね。 はい。これは現職をリタイアした人も、何かにつけて良い意味の緊張感というのは絶対に持っていたほうがいいと思います。―私も非常に共感します。何を行うにも責任、事故を起こしたとしてもそうですし、自分が発言したこともそうですね。峰さんは、全てにおいて自分に責任を持たれています。そうなると、やはり一番できることは何かというと、自分をコントロールすることなのですね。それは本当に感じます。そういう意味では、そういった努力と戒めを、何十年と続けてこられたことはたいへん素晴らしいです。 知らず知らずのうちに身に付いたと思いますが、僕はお酒を飲むわけでも、ゴルフに行くわけでも、タバコを吸うわけでもありません。唯一、私の趣味はというと、金魚とメダカを自宅で飼っていることでしょうか。毎朝30分の餌やり、水替えなどの世話が自分の仕事になっています。メダカの餌やりといっても、大きい水槽が10個ぐらいあるのです。まあまあの運動になります。―生活の一部になっているのですね。 そうです。生活の一部にそのようなものが組み込まれていると、楽しみがあるのです。―楽しみと同時に安らぎを得るのですね。 僕らの少年時代は田んぼにコイの稚魚を放して刈り入れの前にみんなで取りに―峰さんは、地元にかなり愛着を持たれて大使もされていますね。 長野県観光大使です。―東京2020オリンピック聖火リレーも走られましたね。 都会に住んでいても、やはり古里のこ〝喜平さ〟がつくった奇跡の村 峰竜太/著峰さんの故郷・長野県下條村で「奇跡の村長」と呼ばれた伊藤喜平村長のドキュメンタリー。過疎化が進んだ小さな村から、「子どもの声が響く村」へ導いた村長の改革奮闘記。地元愛強し5

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る