Pipette vol.35 2022.4 Spring
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, 1私たちの体の細胞は生きていくためにエネルギー源として糖質が必要です。摂取した糖質は、消化酵素によってブドウ糖や果糖に分解され、血液中に放出されます。血糖とは、この血液中のブドウ糖のことで、その量を血糖値とよびます。血糖値は健康な方でも食事前後で変化します。食事をすると炭水化物等が消化され、吸収してブドウ糖が多くなり、血糖値が高くなるとすい臓からインスリンが分泌され、血液中のブドウ糖をグリコーゲンに変え、肝臓や筋肉の細胞に取り込みます。逆にお腹がすくとブドウ糖が少なくなるので、血糖値は低くなります。突然、足の親指が赤く腫れ激烈な痛みを伴い、風が吹いただけでも痛いと言われる『痛風』。この号をお読みの方にも、今がその時の方もおられるのでは…。痛風の原因は過剰の尿酸が関節で結晶化して炎症を起こしている状態です。尿酸って何? と思われますが、尿酸は人が生きていくために必要なエネルギーや人体の設計図と呼ばれる核酸(DNARNA)の原料となるプリン体が体内で使われて、廃棄される形となったものです。プリン体は食事からの摂取と体内(肝臓)での合成で賄われます。廃棄物となった尿酸は血液の中に溶け込んで尿から排泄されます。排泄される量より多くのプリン体が生成、摂取され、尿酸へと変わると、血液から尿酸が染み出して関節等で結晶化してしまいます。関節に貯まり、炎症を起こすと痛風が完成します。腎臓から尿として排泄される際に結石を作り、これもたまらない程痛い『尿管結石』となってしまいます。受診や検診の際、尿酸の数値を是非ご確認ください。痛風が起きなくても尿酸の高い状態は動脈硬化を進める危険な状態です。主治医とご相談いただき、生活習慣の見直しにつなげてください。臨床検査技師とは…血糖値「痛風」臨床検査技師のつぶやき7.0㎎/dlを超えたら、血液中の尿酸が高い状態です。Pipetteマスコットキャラクターピペトンピペ子臨床検査技師のお仕事を広く周知させるべく誕生したマスコット。本誌に登場し、わかりやすく解説してくれます。

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