Pipette vol.37 2022.10 Autumn
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僕は、多くの読者の皆様が、この「フラジャイル」を読んでくださって、次に病院に行ったときに、これまで見えなかったところが少しでも見えるようになれば、大変嬉しいと思っています。―日々漫画の作成はとても大変なお仕事だと思いますが、ご自身、何か健康に気をつけていらっしゃることなどありますか?人間ドックへ定期的に行っています。僕は家でずっと椅子に座っている仕事なので、いろいろとハイリスクであるかと思います。一方で、家族の遺伝的リスクは、最近分かってきましたので、そのリスクに対して予防できるように、自身の健康管理をしています。―健診を定期的に受けられているのですね。医療漫画を書いている人が何かの不摂生で倒れたというと、信頼感に関係してくると思ったりします。「偉そうなこかな? とを書いておいて…」と思われたくないなということもあるかもしれません。現在の医療では遺伝子という要素がはっきり見えてきましたので、「病気の予防」については良い影響が出ているのではないかと思います。それが見える前は、ありとあらゆる病気を同じ確率で心配しなければいけなかったものが、家族歴なども考えて、明らかに自分はここが弱いと思うということが見えるようになってきました。そこを重点的に注意することと、さらに生活習慣の改善とを組み合わせることで自分のリスクを測れるようになってきたので、人間ドックに行きやすくなりました。―私共は病院等で臨床検査に携わる職能団体ですが、日頃、臨床検査や検査値についてご興味とかございますか?はい、あります。いろいろな資料などもいっぱい出版されて、漫画のストーリー制作にも大変助かっていますし、興味もあります。―最後になりますが、臨床検査技師の仲間に向けて、何か一言お願いします。いつもありがとうございます。その仕事は取材を通していつも拝見しています。コロナ対応で日々の仕事はより忙しくなりました。一方で最近は新しい領域の仕事も登場して選択肢も増えたというお話も伺います。新しい臨床検査技師のスタイルを牽引することも、診断や治療、治療効果判定を支えることも、どちらも医療には欠かせない役割で、そこにどんなプライドや楽しさがあるのかを漫画で世の中の人に少しでもご紹介したいと考えています。―お言葉、大変我々の励みになります。ミスが許されない医療の世界をテーマに個性豊かたなキャラクターの人間性を重視して描かれている『フラジャイル』。日々変わる現場の実情をリアルタイムで描けるのは、草水さんの取材力と努力の賜物なのだと知り、今後の展開がより楽しみになりました。次回は、トランペット奏者で、近年はさいたまスーパーシニアバンド等を結成し、高齢者や初心者に楽器を始める機会を創る市民活動も積極的に行っている『オリパパ』こと織田準一さんをお迎えいたします。インタビューを終えて自身の健康管理について臨床検査について6|Pipetteプロフィール : 1972年生まれ。島根県仁多郡出身。漫画原作者。2014年8月より月刊漫画雑誌『アフタヌーン』(講談社)にて、病理医を主人公にした漫画『フラジャイル』(漫画:恵三朗)の原作を担当。他の著作に『春よ来るな』(漫画:濱崎真代)がある。漫画原作者草水 敏Kusamizu Bin        * Guest:草水 敏The interview

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