Pipette vol.42 2024.1 Winter
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かないといいますか、たくさん走れば走るほど確かに足が最後までついてきました。―千葉さんはご自身のブログで、練習がハード過ぎて生理が来ないというのを拝見して、その後で正しい知識を入れることは非常に大事であるとつづっておられましたが、少しそこをお話しいただけますか? 陸上を本格的に始めた高校生の時から、競技を引退する30歳の時まで約15年間は無月経の状態でした。―その時は、練習が忙し過ぎてあまり気にならなかったのですか? 高校の時は先ほど言ったように毎日必死で、何が何でも上位ランクに入りたいという思いで、いつの間にか「あれ、ないな」とは思っていたけれども、自分の目標にまい進していたのですっかり忘れていた状態でした。走る時に生理があってもむしろ大変なので、あまり深く考えなかったところもありました。周りにも月経がない人も珍しくなかったので、そのままになっていました。実業団になった時に、「今、生理がなくても競技を辞めたら来るらしいよ」といううわさを聞きました。そうかと思って一安心してしまい、大丈夫だと思い込んでしまいました。 また時がたち、20代半ばになった時に、そういえば生理がないなと思って数えたら、かなりの年数になっていて、さすがに少しまずいのではないかとは思いました。「治療をすると、すごく太って競技に戻れない」田瑞生選手はかなり筋肉質で骨太です。私はどちらかというと骨が細くてひょろりとしてケガもよくある体形ですけれども、その松田選手は非常に対照的で、体も丈夫な選手もいます。100人いれば100通りの体形や素質、骨格などがあると思うので、どのような体形がいいとは一概には言えないです。自分の強みを生かせて、体形だけではなく情熱を持ち続けて、練習を積めた場合に結果につながるので難しいです。何がいいとは一概には言えないです。―この『ピペット』の読者の中にもきっとランナーの方がいて、千葉さんの表紙の写真を見て手に取られる方がいらっしゃると思いますが、そういった市民ランナーの方向けにアドバイスを頂けますか? 普段全く運動をされていない方でも、練習をすればフルマラソンを完走するのは十分可能です。やってみようかなという思いさえあって準備をしていただければ、完走することは可能だと思います。ただ準備の目安としては、自分が出るレースの約半分の距離、フルだったら20キロ程度を、レースの10日前までに2〜3回走っておくというのが最低限の準備です。大体そのようなものです。フルを走るからといって40キロ走をやるということではなく、半分程度の距離を何回か走れていれば、筋肉もついてきますし、試合の時は、沿道の応援などが後押ししてくれますので、走ることができます。(笑) また、フルに限らず10キロに出てみたいという方は、5キロ程度を何回か走るといいと思います。5キロを走ろうと思ったら、まず歩きから始めていただいて、今度は速歩きです。速歩きができるようになったら、少し走ってみようかなという気分に自然になります。そのように一つ一つ目標をクリアしていただければ、5キロは大体1カ月ぐらいで走れるようになる方が多いです。ゆっくりと歩くのに毛が生えたぐらいのペースで、疲れたら休んでもいいです。 意外と難しく考え過ぎてしまう方が多いですが、毎日やらないといけない、速く走らないといけないということではなくて、週に1回でも継続することが大事です。ドアを開けたら練習場なので、自分のペースで隙間時間に続けやすいスポーツだと思います。―私のマラソンは30キロぐらいから足が動かなくなりますが、周りの声援が非常にありがたくて、背中を押してもらって2回目に挑戦したフルマラソンで何とか完走できたという経験があります。完走した時の醍醐味(だいごみ)もありますが、周りの声援の温かさを非常に感じることができ、50代の目標として掲げたフルマラソン完走を何とか実現できたことは、とても良かったなと感じています。やはり練習はうそをつ一般のランナーへのメッセージ5

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