臨床検査技師の仕事
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7生化学的検査 生化学的検査は、血清(血液を凝固させて遠心分離した上澄み)を分析して、血液中の酵素、脂質、糖質、無機質、ホルモンなどを測定し、体調の変化や臓器の異常を把握します。 肝機能検査、腎機能検査、脂質検査、糖尿病検査、甲状腺検査など、多くの分析項目があります。一般検査 一般検査は尿、便、体腔液(胸水、腹水等)などを調べる検査です。尿の検査では腎臓や泌尿器系臓器の状態、膀胱や尿道にできた腫瘍の種類などについても調べることができます。 便の検査は「便潜血検査」と「寄生虫検査」が主なものです。体腔液の検査は、感染症や腫瘍鑑別などの診断に役立ちます。尿の鏡検では癌細胞や原虫などが見られることがあり、そういった診断につながる情報を主治医に報告できたときは非常にやりがいを感じます。また髄液検査は緊急性が高く、髄膜炎の診断に直結する重要な検査である為、迅速かつ正確に検査するよう努めています。今井友子 (山梨県立中央病院)技師からの一言輸血・造血幹細胞移植関連検査 輸血検査には、輸血を行うために必要な血液型検査や交差適合試験(輸血する血液が患者さんの血液と適合するか否かの検査)、不規則抗体検査(輸血や妊娠によって産生することがあるABO式血液型以外の赤血球抗原に対する抗体を検出する検査)などがあります。 そのほか輸血用血液の保管管理・供給、自己血、末梢血幹細胞移植に係わる業務も行っています。輸血は、患者さんの命に直接関わるものなので日々緊張感を持ちながら検査を実施するように心がけています。特に緊急性の高い場合の輸血は、正確かつ迅速さが求められ責任も大きいですが、その分とてもやりがいを感じています。田中沙恵(山梨県立中央病院)技師からの一言生化学検査は臨床検査の中で一番検査項目数が多い分野で、大型自動分析装置が導入されています。正確な検査結果を迅速に主治医へ報告するため、我々は分析装置の精度管理や保守点検を日々行っています。また、異常値が発生した際の的確な対応が臨床検査技師としての腕の見せ所です。宮澤孝仁 (東海大学医学部付属八王子病院)技師からの一言

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