臨床検査技師教育も今後学力低下してしまうのでしょうか?
検査技師学校の先生に話を伺うと"これまでの情報詰め込み
的な教育だけでなく、医療の現場で実践的に役に立つ技術も
いろいろ盛り込んでがんばっている"そうです。期待したい
です。私たちの勉強した内容に比べ、医療の進歩でいろいろな
付加情報・新情報など学生さんが勉強する内容は大変多くな
っているので大変だと思いますが将来の医療を担う若手の方
には特にがんばっていただきたいと思います。
コーナー担当者より
日臨技発行の「会報JAMT」には”Wave「教育の現場から」”
と題し、技師学校の先生の教育に関するお話が掲載されてい
ます。
技師教育の問題点提起・技術育成の試みなど興味深い内容
ですのでぜひご一読ください。
また、以下のURL(アドレス)からはPDFファイルとして読む
ことができます。
http://www.jamt.or.jp/information/kaiho/kaiho.html
いま,検査医学を教える私の大学教育では,たとえば,
1.メランジュールを使わない
2.プロトロンビン時間(PT)測定はリコンビナントのトロンボプラスチン;rhTP 力価表示が1.0)などを使います.
さて,すでに血液検査学実習ではメランジュールを使いません.
視算法での白血球数算定のことですが,チュルク液はピストン式のマイクロピペット(全量が200マイクロの可変式)でチュルク液を焼却可能な小試に180マイクロリットル,別の同型マイクロピペットで血液の20マイクロリットルを静かに底部へ注入し,上澄みの希釈液で洗い込みしてから混和して,混合液をビュルヶル-チュルク型血球計算板へ入れさせ,算定させます.
算定後は70%エチルアルコール綿で拭き取らせ,再度70%エチルアルコール綿で清拭させます.
他人の血液を取り扱う際にはゴム手袋を常備して使わせます.
採血直前や実習室からの退出に際しては,次亜塩素酸ナトリウム溶液1,000PPMでの手洗いを励行させます.
学内の校舎内は全域(100名くらいの教,職員の居室,研究室も例外なく)禁煙区域です.
2.PTの測定では試薬の力価(ISI表示)が1.0のrhTP試薬なので,INRの算出は厳密には1.0以下の桁では試薬ロットごとに変化してくるので必要ですが,実用上は理論的に教えるだけです.
いまでは検査部の自動測定機械が自動補正する方式が多いので,補正理論の教育で済みます.
こうした感染予防の原理・原則,あるいは測定法の原法に忠実な教育が,現場で果たして卒業生の仕事にどの程度まで通用するのかとなると,それは検査現場の皆さんの御存じのとおりです.
ついでながら,教えていないことも.いま,私たちの研究室で卒業研究をしている学生諸君達は,お茶の入れ方がうまくなったかどうかを自分達で競っているようで,かなり本気のようです.
生け花の投げ入れも始めそうな気配を私は感じています.
6月中旬を過ぎると,アンズ拾いが賑やかに繰り広げられます.アンズの利用法も多様化してきました.
今年も就職戦線とともに,どう展開するのやら,教育応援団としては「待つ」ことが鉄則です.