”精度管理なくして臨床検査はなし得ない”という時代のなかで、「どのような記録を?」、「どのような方法で?」、「どの程度残したらよいのか?」という多くの声に応える。

978-4-8407-5326-5

内容

 私たちが日頃提供している臨床検査の『品質』が求められる時代となりました。このことは決して新たなことではなく、従来から各施設においても日常的な精度管理が行われ、検査結果の品質確保に努めてきたことと思います。しかしながら、その方法は施設ごとに様々で、管理方法も異なります。そこで、医療法改正によって地域格差あるいは施設間差のない臨床検査結果を医療へ提供するために、どの施設においても最低限定められた方法によって質的保証をすることが義務化されました。
 本書は、この法律を遵守するために「どのような記録を?」、「どのような方法で?」、「どの程度残したら良いのでしょう?」という多くの声に応えるために、法改正の概要とその要求事項、精度管理の考え方や分野ごとの精度管理時のポイントを網羅した一冊となっています。
 また、法的要求事項に対応するための具体的な記載レイアウトを多く掲載することで、精度管理担当者が本書一冊で全分野の精度管理要点を把握し、各施設の現場に合わせて応用できる内容となっております。
 改めて法改正の内容と臨床検査の精度管理について概要を整理し、施設にあわせて見直しを図る機会の参考に是非ご活用ください。

目次

目次
1章 総論
 1.1 精度保証の概念
 1.2 法改正のポイント
 1.3 整備しなければならない文書関係
 1.4 日臨技における臨床検査データ標準化活動
 1.5 臨床検査室の品質マネジメントシステム
2章 基礎
 2.1 用語・単位
 2.2 検査データの取扱い
 2.3 外部精度管理調査
 2.4 是正・改善方法
 2.5 安全管理
3章 臨床化学・免疫化学検査
 3.1 標準作業書
 3.2 血清分離標準作業書
 3.3 検査機器保守管理標準作業書
 3.4 検査機器保守管理作業日誌
 3.5 測定作業日誌
 3.6 試薬管理台帳
 3.7 内部精度管理(統計学的精度管理台帳)
 3.8 外部精度管理
 3.9 ドライケミストリーの外部精度管理
4章 血球算定検査
 4.1 内部精度管理
 4.2 外部精度管理
5章 血液像検査
 5.1 内部精度管理
 5.2 外部精度管理
6章 血液(凝固)検査
 6.1 内部精度管理
 6.2 外部精度管理
7章 一般検査
 7.1 一般検査に必要な日誌・台帳・文書類
 7.2 尿試験紙検査
 7.3 尿沈渣検査(鏡検法)における精度管理
 7.4 尿自動分析装置における精度管理
 7.5 便潜血自動分析装置における精度管理
 7.6 髄液検査における精度管理
 7.7 精液検査における精度管理
 7.8 穿刺液検査
8章 微生物検査
 8.1 微生物検査室に必要な日誌・台帳・文書類
 8.2 検体採取における精度管理
 8.3 検体受付における精度管理
 8.4 検査前における精度管理
 8.5 検体処理における精度管理
 8.6 迅速検査における精度管理(POCT)
 8.7 染色法における精度管理
 8.8 同定検査における精度管理
 8.9 薬剤感受性検査における精度管理
 8.10 薬剤耐性菌検査における精度管理
 8.11 検査データ(報告)における精度管理
 8.12 微生物検査における外部精度管理
9章 病理組織検査
 9.1 プレアナリシス段階
 9.2 アナリシス段階
 9.3 ポストアナリシス段階
10章 細胞診検査
 10.1 診断標本作製
 10.2 細胞診標本の管理
 10.3 内部精度管理と外部精度管理
11章 生理検査
 11.1 生理検査に必要な対応および対策
 11.2 超音波検査
 11.3 心電図検査
 11.4 呼吸機能検査
 11.5 脳波検査
 11.6 生理検査における外部精度管理
12章 輸血検査
 12.1 微輸血療法(輸血検査)における医療関係者の責務と管理体制
 12.2 外部精度管理調査(外部精度評価)から見える対策
 12.3 検査方法
 12.4 機器(冷蔵庫・冷凍庫・振とう器・恒温槽・遠心機)の管理方法
 12.5 試薬および消耗品の管理方法
 12.6 教育・訓練方法
 12.7 血液製剤管理
 12.8 日本赤十字社血液センターにおける精度管理
13章 遺伝子検査
 13.1 病原体核酸検査
 13.2 体細胞遺伝子検査
 13.3 染色体検査

査読者一覧
索引

著者名監修:一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
出版年月日2020年11月26日流通開始NEW
ページ数・判型392頁 A4判
価格(消費税含む)5,830円
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