この度、一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会を中心に、公益社団法人 日本臨床検査標準協議会ならびに一般社団法人 日本臨床検査薬協会の協力のもと、女子栄養大学の設備を使用し、酵素活性測定に関する常用基準法の操作手順を記録・撮影することとなりました。臨床検査の基盤を支える基準的測定法の実施には、適切な人材および施設の確保・維持が不可欠です。しかし近年、当該測定を実施可能な施設は減少傾向にあり、さらに測定の要となるJCCLSより頒布される酵素標準物質の値付けについても、現状では円滑な実施が困難な状況にあります。

当会では、過去3回にわたり技術習得を目的とした講習会を開催し、13施設から22名の参加を得て、酵素活性測定の常用基準法を実践してまいりました。参加施設の多くは、次ロット常用参照酵素標準物質の値付け共同実験にも協力し、一定の成果を収めたものと考えられます。しかし、COVID-19感染症の影響等により、勧告法に携わる人材は減少し、講習会の継続は困難となりました。加えて、常用基準法を実際に運用する際には、単に操作法を読んで実施するのみでは困難な点が多く、国内におけるヒト血清中酵素活性測定の常用基準法は1989年に設定が開始されたものの、当時の詳細な技術を再現・検証することは容易ではありません。

以上の状況を踏まえ、今後も常用基準法の操作を継続可能とするため、本動画により操作手順を記録・公開することといたしました。本記録が、酵素活性測定の標準化および臨床検査の精度向上に資することを切に願うものです。

(文責 末吉 茂雄)

1.測定装置の性能評価 

(1) 測定装置の性能規格
(2) 波長の正確さ・波長設定繰り返し精度・スペクトルバンド幅
(3) 迷光・吸光度の比例性
(4) 測光正確さ・測光繰り返し精度
(5) ノイズレベル・ベースラインの安定性
(6) 吸収セル・測定温度の正確さ精密さ・その他

「リファレンス法開発・検討用分光光度計の性能規格試案(日本臨床化学会分析部会機器部会委員会.ステップ2,1985-10-31)」に準拠した装置性能評価を行います。この評価を基に、ヒト血清中酵素活性測定の勧告法における測定装置の性能規格(臨床化学 勧告法総集編2012年版)が定められています。

2.測定器具の容量評価

(1) 測定器具の容量評価

マイクロピペット、ホールピペット、連続分注器における容量を評価します。

3.モル吸光係数の測定

(1) モル吸光係数

酵素活性単位の算出に必要なモル吸光係数について、試料の調製および測定を行います。

4.試薬調製

(1) 試薬の調製

勧告法測定に使用する試薬を調製します。pHメータの校正、温度管理、試薬の調製を含みます。

5.酵素活性の測定

(1) 酵素活性の測定(1)
(2) 温度チェック
(3) 酵素活性の測定(2)

調製した試薬を用いて、酵素活性の測定操作を実施します。

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