2013.06.06

        『血尿診断ガイドライン2013』の発刊にあたって
『 血尿診断ガイドライン』は,2006年3月に作成されました。このガイドラインの巻頭
には「今後,本ガイドラインが広く実地に活かされ,その経験を基にさらに検討を重ねて
より良いものになっていくことを期待したい。」と記されています。
この言葉のとおり,今回の7年ぶりの改訂にあたっては,多くの関係者が多角的な検討
を加えました。そして,クリニカルクエスチョン(CQ)方式を採用し,CQ に対する推
奨グレードを決定するなど,より臨床で活用しやすいものとなっています。
改訂版の作成には,日本腎臓学会をはじめ,日本泌尿器科学会,日本小児腎臓病学会,
日本臨床検査医学会,日本臨床衛生検査技師会,日本医師会から委員が参画し,小職もそ
のひとりとして参加させていただきました。
ご高承のとおり,血尿の原因は,腎炎,IgA 腎症などの腎臓内科領域の疾患,尿路結石
や膀胱癌などの泌尿器科領域の疾患,あるいは過度の運動によるものなどさまざまで,年
齢によっても傾向が異なります。
本ガイドラインは,このような血尿の多様な要因に対して,臨床診断を的確に行うため
の有効なツールであり,本書に示されているとおり,血尿患者を扱うすべての臨床医に活
用していただきたいと思います。
さまざまな疾病に対する医療提供を地域で完結するためには,限りある医療資源を有効
に活用することが重要であり,そのためには有機的な医療連携が不可欠ですが,本書では,
小児の血尿の経過観察と専門医への紹介,すなわち連携を判断するポイントがわかりやす
く解説されるなど,地域における連携を支援するものとしても有用です。
広く全国の臨床医の方々にこのガイドラインを活用いただくことを,日本医師会として,
そして作成に関わったひとりとして願ってやみません。
2013年5月
公益社団法人 日本医師会 常任理事
三上裕司

(血尿診断ガイドライン 紙面ページより抜粋)

日臨技ホームページ「資料・ガイドライン」内より閲覧して下さい。↓

http://www.jamt.or.jp/data/

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