一般社団法人
日本臨床衛生検査技師会
代表理事会長 宮島 喜文

本会は昭和27年に創立されて以来、我が国の唯一の臨床検査技師の学術・職能団体の全国団体として、国民の医療の向上と福祉の充実に寄与すべく、多くの諸先輩方のご尽力で、学術活動を通じた資質向上を図る卒後教育と地位・身分の向上を図る渉外・法制度運動を基軸に事業を展開して来ました。昨年、創立70周年式典を終え、7万人を超える会員を擁する組織に成長し、医療機関や検診機関、衛生検査所などの職場で活躍しており、我が国の医療技術者界や臨床検査業界で一定の地位を得る団体にまで成長しています。これも全国の会員の皆様のご協力とご支援の賜であり、厚くお礼申し上げます。

振り返ってみると、臨床検査技師の歴史は茨の道であったのはないでしょうか。医学の解明とともに最新の科学技術を駆使した検査機器の開発、そして国民皆保険制度の下で診療の場で臨床検査は発展しましたが、臨床検査技師の社会的地位の向上や待遇改善に繋がることはありませんでした。その原因は、政治・経済的な要因もあるものの、本質的には臨床検査技師の仕事は法的に業務独占でないことにあると指摘されています。

しかし、臨床検査の重要性は診断や治療において有用性は高く評価され、度重なる法改正で臨床検査技師の業務拡大を実現してまいりましたが十分ではありません。これからも、私たちは今まで以上に最新の技術や知識を習得するなど自己研鑽を積むと共に、診療現場ではチーム医療や医師などの業務のタスクシフト/シェアに積極的に取り組み、患者にとって最善で最良の医療の提供に努めることが、私たち臨床検査技師の未来の扉を開くことになります。

「日臨技を新生させ、未来を拓く」これからも誠心誠意、全力で日臨技を発展させ、会員の皆様が安心して仕事に打ち込める環境づくりに取り組んで参りますので、今後ともご指導ご協力の程、よろしくお願いします。

令和6年1月

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