「国民の皆様へ」新型コロナウイルス感染症対策に関する声明

令和2年4月24日(金)

国民の皆様へ


新型コロナウイルス感染症対策に関する声明
(一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会)

 昨年12月中国湖北省武漢で最初に新型コロナウイルスが見つかって以来、国内でのウイルス感染は拡大し、収束の見通しすら立っていません。
 保健所など行政機関や医療の現場において感染者の治療に日夜奮闘されている皆様方に、感謝申しあげますとともに、不幸にしてお亡くなりになられた方々へのご冥福をお祈り申し上げます。また、感染者の皆様の一日も早い回復を願っております。
 政府は、新型コロナウイルス感染症を「全国的かつ急速な蔓延による国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態」が発生したとして、4月7日に東京都を含めた7都府県に対して「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を発令し、国民の命と生命を守り抜き、経済の再生を目的に、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を発表しました。4月16日には更なる感染拡大と感染者の急増を受け、全47都道府県に緊急事態宣言を発令しています。
 さて、日本ではPCR検査の検査件数が少ないとの指摘もあり感染者が急増する中で、検体採取やPCR検査を実施する人材不足についても、指摘されています。
4月22日に開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議ではPCR検査体制の拡充が提言されており、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会への応援要請も提言されています。
本会はこれまで、厚生労働省からの要請に基づき、横浜に停泊したクルーズ船の検体仕分けや藤田医科大学岡崎医療センターに移送された乗員乗客に対する検体採取などの補助など検疫業務を支援してきました。
 また、医療現場での対策を強化する観点から、以下3点について政府に要望しました。
1 医療機関等における新型コロナウイルス簡易検査の整備について
 (保健所を経由する行政検査だけでなく、医療機関においても必要な時、検体を搬送しなくて、その場で1〜2時間で検査できる検査体制の構築に向けて、機器や試薬などの開発や承認を早め、実施できる医療体制を整備すること)
2 医療機関における感染防護具や除菌消毒用品の必要量の確保について
(全国の医療機関で感染リスクの非常に高い検体採取を医師、看護師、臨床検査技師が担っていますが、マスク、フェイスガード、防護衣などが不足し、危機的な状況であること) 
3 感染症指定医療機関における微生物検査室の設備強化について
(特に感染症指定医療機関における微生物検査室の設備強化に関して十分な検査機器保有や検査環境の設備を設けること)
 更に、4月15日には、47都道府県臨床検査技師会長に対して、以下を要請いたしました。
(1)新型コロナウイルス感染症の検体採取、検査要員の確保について
(現在、全国での取り組みが始まっている発熱外来やPCR検査センターなどで検体採取に従事する臨床検査技師を確保するため、臨床検査技師で、離職者、OB、OGの方々に協力いただく方の募集の開始)また、応募していただいた方に対する研修制度も構築し、現場での支援に努めること。
(2)新型コロナウイルス(PCR)検査担当者の増員について
(PCR検査実施施設において、複数(場合よっては多数)検査経験者を増やすための施設内研修の実施)

 我が国唯一、全国の臨床検査技師の職能団体とし、新型コロナ感染症から国民を守るべく、様々な対策に取り組んで参ります。
 そのためには、国や都道府県の行政機関のご指導はもとより、臨床検技師の働く勤務先の管理者の皆様のご理解・ご指導を始め、日頃から忙しい臨床検査技師、働いていない臨床検査技師の皆様の協力、支えていただくご家族にご理解をお願いします。
 行政や医療関係者、そして国民の皆様のご理解・ご支援もよろしくお願いします。感染症史上に残る国難とも言うべきと「新型コロナウイルス感染症」に打ち勝ち、我が国の難局を乗り越えるよう共に頑張りましょう。

2020.04.24
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