「認定心電技師制度」は、生理検査部門の代表的検査である心電図やトレッドミル、ホルター心電図を中心とした知識、技術を認定する制度として、また“臨床の求めに応えられるスキルの評価”として日々自己研鑚に励まれる会員の新たな目標となるよう平成19年度に「認定一般検査技師制度」に続き立ち上げられました。立ち上げ時には日本心電学会の協力のもと認定制度の基礎を構築しました。その後平成25年度には日本心電学会との認定に関わる方向性の相違から、日本臨床検査医学会の協力のもとで現在は運営されております。
これらを認定する日臨技認定センターは第3者機関である日臨技中央認定委員会を設置し、その傘下に日臨技認定制度協議会、日臨技認定制度審議会が設けられている認定組織です。この組織の中で運営されている認定心電技師制度では、心電図の基礎知識から、記録技術、判読技術、報告まですべてに責任がもてる検査を志す認定制度です。また患者さんを直接検査する部門として医療安全の充実とともに医療機器安全についても今後はより充実してゆく予定です。多くの方が認定試験対策研修を受講できるように、各地区において中心となり運営していただける方の育成も始めております。これらの内容を入れた「新カリキュラム」も新たに構築しホームページへ掲載しております。
また、今年度の認定試験からは必須の研修として「バリデーション研修」の導入を予定しております。心電図検査時に何時遭遇するかわからないいろいろな場面でも慌てずに対応できるよう認定の充実に向け努力してゆく予定です。
最後になりますが、今後生理検査部門においても国際化ニーズに対応するためISO 15189の認定範囲が生理学的検査にも拡大し、国際規格にのっとった検査データの質の確保が求められます。この認定取得に必要な、生理検査部門の精度保障(内部精度管理、外部精度管理)技術認定も視野に入れより充実した内容にして行きたいと考えております。
(文責:齊藤 幸弘、中井 規隆)