認定病理検査技師

　平成25年4月、一般社団法人日本病理学会（以下、病理学会）側より後の特定非営利活動法人日本病理精度保証機構（以下、精度保証機構）の立ち上げに対して、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会（以下、日臨技）への協力要請に呼応する形で、日臨技側より、精度管理を中心とした責務を担う認定技師制度についての提案がなされたことから、日臨技は、病理学会と協働して「認定病理検査技師制度」を立ち上げた。
　本制度は、標準化された病理組織標本作製技術・専門的知識、病理解剖介助業務および病理部門のマネージメント能力等を総合的に評価し認定するものであり、病理部門に勤務する臨床検査技師と病理医が、互いの立場と職務を尊重しあい、国民の医療に貢献するための協力関係を築きあげていくための制度である。カリキュラムおよび認定のための資格更新基準、認定試験は、病理学会および日臨技が共同で策定し、指定講習会・認定試験の内容も両者が協議して行っている。特に認定試験では総合的な能力の判定として記述・小論文による試験も行われているのは、日臨技が行っている他の認定試験に無い取組となっている。
　平成26年に行われた第一回の認定試験では、209名の認定者を世に送り出し、全国の184施設に配置することができた。今後、認定病理検査技師を中心に、病理学会および精度保証機構と連携し、技術と診断の両面を精度保証・施設認証していく予定である。これまで以上に、認定者には地域の中核となり積極的な情報発信・共有をお願いするところである。
　世界に卓越したわが国の優れた病理技術が、後の世代へ確実に継承されるよう対策を今から講じていかなければならない。本認定制度を上手に活用して後進の育成に役立てて頂きたい。確かに認定資格は個人のスキルではあるが、国民の医療を支える我々の技術は、後の世にもしっかりと伝えていくべきであると思われる。

（文責：滝野 寿、中山 茂）

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